栄養価の高い野菜を食卓に

 健康を維持するためにはかならず「栄養バランスのとれた食事」という事項があげられますが、毎日の食生活において、食事を健康のためにいかに効率よくとるかは食品の栄養素を知り、その効能を知っていなければなりません。
 野菜をたくさんとれば良いというものではなく、体に必要な栄養素をバランス良くとることが大事なのです。ここでは、健康な身体をつくるためにおすすめの野菜とその栄養素をご紹介しましょう。
 
◆にら
 独特の強い匂いを持つ「にら」は、薬用としても古い歴史をもちます。力ロテンはほうれん草よりも多く、必要に応じて体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を強化し、細胞膜を修復する働きがあります。
 「にら」の強い匂いは、硫化アリルというもので、サルモネラ菌などの病原菌を退治する働きもあり、硫化アリルのアリシンは糖質をエネルギー源に変えるビタミンB1と結合し、新陳代謝を活発にし、疲労回復や強精・強壮効果があります。  
 冷え性の人にはとてもおすすめで、「にら」には補温作用 があり、身体を温めます。ビタミンEを含む食物油(ごま油など)やビタミンB1の多い豚肉やレバーなどと組み合わせて調理すると効果も倍増です。
 
◆ブロッコリー
 ビタミンCがとても豊富に含まれるほか、β-力ロテン、カルシウム、鉄なども多く含まれます。  
 活性酸素の発生を抑えるβ-カロテンや体内に入った発がん性物質の活性を抑制するイソチオシアネートなどの含硫化合物も含まれているので、がんや生活習慣病の予防に効果があるといわれています。  
 また、胃潰瘍や胃炎、肝機能障害にも効果があるとされているビタミンUも含んでいるので、生でサラダにしたり、青臭さが気になるようなら軽くゆで、温野菜サラダでいただくと良いでしょう。
 
◆チコリ
 ヨーロッパが原産の野菜ですが、最近は日本でも普及しています。萌芽を食用にするもので、サラダや炒め物に使用されます。食物繊維はもちろんのこと、ビタミンB群の葉酸も含まれているので、造血作用があります。葉酸にはビタミンB12とともに新しい赤血球をつくる造血作用や新しい細胞が作られるときに必要なビタミンで、特に女性は積極的にとりたい食品です。チコリには特有の成分のチコリ酸が含まれ、活性酸素を無毒化する働きがあるので、肝臓の解毒作用を強める効果があるといわれています。
 
◆さといも
 さといもは低カロリーでカリウムが100g中600mgと他のいも類にくらべてとても多いので、高血圧ぎみの人にはもってこいの食材です。さといもの独特のぬめりには、ガラクタ ンとムチンという成分が含まれ、ガラクタンは体内でグルクロン酸をつくり、肝臓や腎臓を強化します。グルクロン酸には抗ウイルス作用もあり、ウイルス性肝炎にも有効とされて います。
 
◆小松菜
 ほうれん草の約3倍のカルシウムが含まれ、小松菜100g で1日に必要な力ロテン、ビタミンC、カルシウムが補給できます。その他、カリウムや亜鉛、鉄、リンなどのミネラルも多く含んでいるので野菜の王様といっても過言ではないでしょう。  
 乳製品がダメという人は、ぜひ小松菜を食べてカルシウムをとるようにして下さい。
 
◆アスパラガス
 体内でアスパラギン酸に変わるアスパラギンが豊富に含まれています。アスパラギン酸は新陳代謝を活発にして、体力の回復や滋養強壮に力を発揮します。  
 カロテン、ビタミンB2の他に、グリーンアスパラガスの穂先にルチンが含まれていて、このルチンはフラボノイドの一種でビタミンPと同じような効果があり、毛細血管を丈夫にしたり、血圧を下げる働きがあります。  
 ビタミンCの吸収を良くするので、ビタミンCの多い食品と一緒にとることをおすすめします。
 
◆モロヘイヤ
 モロヘイヤは、健美野菜として注目をあびています。それというのも、ビタミン類やカリウム、カルシウム、鉄などのミネラル類も豊富で、食物繊維も多量に含んでいて、老化やガンを防ぐといわれているからです。文句なしに積極的にと りたい野菜です。  
 モロヘイヤはシュウ酸が多いので、ゆで汁は捨てたほうが良いでしょう。
 
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