腰痛に悩まされている人はたくさんいます。  
 現代人は、車社会とデスクワークが多いので、腰痛はますます増加しています。  
 自動車を運転する仕事を長年している人や中腰で作業することが多い人、1日中デスクワークの人、そのほとんどが腰痛があると言っても過言ではないでしょう。  
 私たちの腰椎は自動車を運転したり、座ったり、あぐらをかいたり、中腰になるなどの姿勢に対して不適切な構造になっているのです。  
 腰痛は、脊椎や筋肉の異常によって起こる場合があるので、腰痛だから腰にシップ薬でも張りつけておけばOKというものではありません。  
 腰痛が続く場合は、何が原因で腰痛になっているのか調べる必要があります。放っておかずに整形外科を受診し、自分の腰痛に合った治療をして下さい。
 
 
 脊椎や筋肉の異常から起こる腰痛
 日常生活での長時間の腰に負担がかかる姿勢、運動不足、自動車の運転、デスクワークなど、そして加齢も加わって、脊椎や筋肉に異常が起こることで痛む。このような腰痛は、主に整形外科の担当になります。
 
 
 急性の腰痛 
 何かのきっかけ、たとえば重い荷物を持ち上げようとした時や、何かをしようとして腰をひねった時、朝ベッドから起き上がろうとした時など、日常生活の動作で起こるもので、一ケ月以内で治るものが多いのですが、再発を繰り返すものや、慢性化するものもあります。  
 急性腰痛の中には、経験がある方もいると思いますが、一般に「ぎっくり腰」と呼ばれるものがあり、突然激しい痛みに襲われ、動けなくなってしまいます。この「ぎっく り腰」の原因の多くは、腰椎椎間関節のねんざや、腰の筋肉の肉離れなど、腰椎周辺の関節や筋肉、じん帯の障害や損傷などです。「ぎっくり腰」は、ほとんどの人は激痛のため動けなくなり、びっくりしてすぐ病院へと考えがちですが、足の感覚が麻痺したり、痛みで呼吸がしにくいなどがある場合以外はしばらく安静にし、痛みが軽くなるのを待ってから病院へ行くほうがよいと思われます。  
 ただし、下肢に神経症状(麻痺、しびれなど)がある場合はすぐに病院へ行く必要があります。
 「ぎっくり腰」以外の急性腰痛発作には、椎間板性腰痛、腰椎椎間板ヘルニア、骨粗髭症の圧迫骨折、椎間関節性腰痛などがあります。特に高齢者が注意したいのが、骨粗髭症による圧迫骨折です。  
 骨粗鬆症で骨がもろくなっていると、「こんなことで?」というぐらいの刺激で骨折している場合もあるからです。  
 急性腰痛は繰り返すことが多く、繰り返すごとに症状が重くなることもあるので、自宅で安静にしていて痛みがなくなった場合でも念のために医師の診察を受けておくようにして下さい。
  
 慢性の腰痛
 いつ頃からはじまったのか定かではなく、腰にじわじわと重苦しい痛みが長期間続くのが慢性腰痛です。  
 慢性腰痛の場合、日常の生活動作の影響が多く、運動不足や長時間の同一姿勢や悪い姿勢を続けることで、常に腰が重い、だるい、痛むなどの症状があります。  
 慢性腰痛で注意したいのが、いつものことだからと治療をせずにいたり、慢性的な腰痛だと思い込んでいたら、違う病気が潜んでいた、ということがあるので、かかりつけの医師をつくっておいて、定期的に診察してもらうことが重要となります。
 
 
 内臓の病気から起こる腰痛 
腰痛を起こす内臓の病気として考えられるものは
1、腎炎などの腎臓の病気
2、尿路結石などの泌尿器系の病気
3、胆のうや膵臓などの内分泌系の病気
4、胃や十二指腸の消化器系の病気
5、腹部大動脈瘤などの循囁器系の病気
6、子宮内膜症などの婦人科系の病気
 
単に腰が痛いからといっても、原因が内臓疾患によるものも多くあります。又、肥満も腰痛の原因です。
 内臓疾患によるものとわかれば、内科、泌尿器科、婦人科などを受診し、治療する必要があります。  
 肥満による腰痛も非常に多く、内臓に脂肪がつくと重心が前方に来るため、それを支えようと脊椎、背中、腰に負担がかかり、腰痛をおこします。内臓疾患からくる腰痛の特徴は、動きと関係なく痛んだり、発熱や、不正出血など他の症状があることです。
 
 精神的なものが原因となって起こる腰痛 
 痛みの程度が変わったり、痛む場所が移動したり、痛む日と痛まない日があるなどの腰痛は、意外と精神面からきていることもあるのです。  
 ストレスやうつ病、ヒステリーなどが原因と思われます。  
 そのような場合は、精神科に受診することとなります。又、腰痛になると、不快な痛みに耐えることになり、不安やストレスからうつ状態になって腰痛がひどくなり、日常生活に支障を起こすというように、少々厄介なことになるおそれもあるので、早期に精神面の健康を取り戻さなければなりません。
 
 
 腰痛を予防するために心掛けたいこと
1、日常生活での姿勢に気をつける  
 背筋をピンと伸ばし、良い姿勢を保つ、同じ姿勢を長時間続けない、特にデスクワークの人は時々立って動くようにする。腕の力だけで物を持ち上げようとしたり、腰をひねったまま、強く腰を前後に曲げない。歩くときの姿勢も鏡などで見てみると猫背になっていたり、逆に背筋をそらしすぎていたりするのがわかります。正しい立ち方、歩き方になるように注意します。
 
2、食生活を見直し、腰痛予防のための栄養素をとる  
 腰痛を防ぐためには丈夫な骨をつくり、肥満を防ぐことが大事です。骨を丈夫にするために欠かせない栄養素は、まずカルシウム、ビタミンD、たんばく質です。中でも日本人はカルシウム不足といわれていますし、中高年の、特に女性は積極的にとってほしい栄養素です。骨粗髭症を防ぎ、足腰の骨を丈夫にすることが大切。肥満も大敵です。日頃から栄養バランスの良い食事を心がけ、必要以上のカロリーを摂取しないこと。
 
3、ウォーキングで基礎体力をつける  
 腰痛を予防するためには、日頃から運動不足にならないようにすることが肝心です。ウォーキングは腰痛を予防するだけではなく、生活習慣病の予防にもつながり、肥満になることも防ぎます。手軽に始められる運動ですが、車社会の世の中、なかなか歩くことをせず、運動不足の人が多いので、「ウォーキング」をはじめてみましょう。
 
ウォーキングのポイント
姿勢を良くし、大股で少し早歩きをする
1日30分〜1時間くらいを目安に
水分補給を忘れない
体調の悪い日はやめる、天候の悪い日もやめる
持病がある人、腰痛がすでにある人は始める前に医師に相談すること
 
 
 妊婦さんの腰痛
 おなかの中の胎児が大き<なるにつれておなかがせり出し、おなかが前に出っ張ることで重心が前に移動し、腰椎の前わんが強くなるために腰に過剰な負担がかかります。特に妊娠中期以降は体重の増加も加わって、椎骨や椎間板骨盤、じん帯、筋肉への負担が増加します。  
 妊娠中の腰痛は出産後解消するものですが、妊娠初期から、又は出産後腰痛に悩まされる場合は腰痛の原因が骨盤にある可能性があるのです。いつまでも続く腰痛はかかりつけの産婦人科で相談し、整形外科も受診することをあすすめします。
 
◆妊婦さんの腰痛予防
・妊娠5か月目くらいから妊婦帯をする
・運動不足になりがちです。歩くなど適度に体を動かすこと
・マタニティスイミングは効果的です
 
※いずれも無理のないように。不安がある時は医師に相談を
   
 
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