憂鬱な皮膚の病気
 体の表面をおおっている皮膚は、外界からの刺激や種々の病原体に直接ふれる機会が多く、体内からの影響も受けます。皮膚に異常を起こしていると、とても憂鬱な気分になります。早く治したいと皆さん思うのですが、なかなか治りが遅いものもあります。湿疹ができたり、皮膚に異常が生じた場合は原因を確かめることが第一です。自己判断 しないで医師に検査をしてもらい、その結果から治療法や用いる薬を決めてもらうことです。
 
主婦湿疹
 家事をする主婦の手によく起こるので主婦湿疹や手湿疹と呼ばれています。指や手のひらに小さな赤いブツブツができ、それが重なり合って赤い斑となります。かゆみがあり、かきこわすと汁が出てジュクジュクと湿潤しています。ひどくなるとパックリロのように亀裂ができたり、かさぶたができてかゆみも強くなります。  
 原因は洗剤やせっけん等が水仕事で皮脂膜がなくなったところへ直接刺激を繰り返してできるようです。  
 治療は皮膚科で軟膏を処方してもらえます。二次感染が起こっている場合もあるので医師に診察してもらいましょう。
 
〔対策〕
 一番良いのは完治するまで水仕事をしないことですが、主婦の場合はなかなかそういうわけにはいきません。 対策としては、水仕事や洗剤など使う時は木綿の手袋をしてその上からゴムやどニールの手袋をし、洗剤が直接手にふれないようにすることです。
 
接触皮膚炎(かぶれ)
 接触皮膚炎は皮膚にある種の物質がふれて、その部分に炎症が起きたものです。接触皮膚炎は私たちの身の回りにある物すべてにあるといってもよいくらいですが、起こりやすい人と起こしやすい物があります。  
 アクセサリーが身につけられない人やブラジャーもだめという女性もいますし、ゴム製の玩具や抗菌剤塗料を使った玩具で皮膚炎を起こす子どももいます。医師は原因物質を究明するよう努めますが、時にはいくつかのものが複雑に絡んでいることもあり、原因物質の決定に時間がかかる場合もあります。何に接触した時に皮膚炎が出るのか自分でも注意しておくことです。  
 原因物質がわかればそれに接触しないことです。
 
 
主な原因物質
化粧品(せっけん、シャンプー、リンス、美容院用品、スプレーなど)香料、色素、殺菌剤、還元ラノリン
衣料品(防カビ剤、加工用樹脂成分、ホルムアルデヒド、レゾルシン、染料など)
金属(コバルト、水銀、ニッケル、パラジウム、クロムなど)
皮革・樹脂製品(クロム革、カテコール類など)
ゴム成分(加流促進剤、老化防止剤)
文具・染料その他(コピー用品、水銀など)
外用剤(染料、農薬、現像液など)
植物(ウルシの系統、サクラソウ、ギンナン、キウイなど)
 
 
じんま疹 
 皮膚の浅い層に様々な部分的むくみ(膨疹)があらわれます。そのむくみは、普通数分〜数時間後には消えますが、その後再発を繰り返すことも多いです。  
 かゆみを伴い、多少赤みのあるみみずばれや蚊に刺されたときのようなプクンとしたふくらみがあらわれ、時間がたつにつれて大きくなったり、癒合したりして形が変わり、かくとどんどん広がります。腹部、太もも、股、お尻、乳房、頭皮、手の甲、足、背中など体のいたるところに出ます。  
 口の中、胃腸、のどなどにもでき、声がれや呼吸障害を起こすこともあります。
 
アレルギー性じんま疹
 魚介(サバなどの青魚、貝類、エビ、カニ、イカ、タコなど)肉類、卵、牛乳などがアルゲンとなります。花粉、ペットの毛、カビ、ハウスダスト、細菌などの吸引や粘膜へ付着した場合に起こります。
 
機械的じんま疹
 外部から機械的な刺激が加わったところに起こるじんま疹で時計のベルトやブラジャー、ハンドバックを下げた腕などにでき、かくとさらに広がります。
 
日光じんま疹
 太陽に直接当たるとその部分にじんま疹ができるものです。特に紫外線が強い4〜9月にできやすいようです。頭痛、吐き気、悪心、腹痛が起こりやすく、ときにはショック状態を伴うことがあります。
 
温熱じんま疹・寒冷じんま疹
 温熱じんま疹は、温風や温水に当たったところにじんま疹ができます。入浴後、体が温まったときに起こりやすいといわれています。一方寒冷じんま疹は、冷たい風や水にふれたところにじんま疹ができます。
 
心因性じんま疹
 ヒステリー、てんかん、自律神経失調症など精神的なことが原因で起こるといわれていますが、はっきりした原因はわかっていません。
 
コリン性じんま疹
 精神的ストレス、運動、発汗などで起こるもので、皮膚にある交感神経の末端でアセチルコリンという神経伝達物質が分泌されるために起こると考えられています。全身に膨疹があらわれ、大きさは1mm〜2mmと小さく、手にはあらわれないのが特徴です。
 
皮膚掻痒症
 皮膚掻痔症は、かゆみが主症状の代表的なものです。皮膚の表面には症状はなく、かゆみだけがある皮膚病で、かゆみは全身にあらわれることもあれば、髪の生え際や肛門、陰部などだけに限局して出るものもあります。たまらないくらいのかゆみでかいてしまうとそこに傷ができ、ジュクジュクしたりその部分の皮膚が厚くなりカサカサして色素沈着を起こしてしまいます。  
 老化で皮膚が乾燥してくるとなりやすい病気ですが、原因は様々で糖尿病や内臓疾患などの病気があったり、せっけんを使いすぎて皮脂膜がとれすぎても起こる場合があります。その他、香水、芳香剤、殺虫剤なども注意が必要です。治療としては、かゆみの原因を調べて原因を取り除くことで治りますが、原因がわかるまではかゆみを止める対症療法になります。  
 たびたび原因不明のかゆみが起こる時は皮膚科を受診するのが良いでしょう。
 
   
皮膚のかゆみを鎮める「米ぬか風呂」
 皮膚のかゆみは、皮脂の分泌量が減少すると皮膚が乾燥しやすくなり、外からの刺激に対して敏感になるためにかゆみを感じやすくなります。
 乾燥した皮膚をしっとりさせるには「米ぬか風呂」がオススメです。
  ←布袋に米ぬかを約50g入れる。
米ぬかには脂肪分が多く含まれていて皮膚を乾燥させない効果があります。 
     
 
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