妊娠中によくあるトラブル
 女性は妊娠すると体と心の変化が訪れます。妊娠中はささいな体調の変化がトラブルになることがあります。「何か変だな」と感じた時は医師に相談することが大切ですが、妊娠中に起こりやすいトラブルを知っておきましょう。
 
1.脳貧血(立ちくらみ)
妊娠28週ぐらいから脳貧血を起こす人が多くなりますが、生理的なものがほとんどです。急に立ち上がったり、人ごみに行かないようにするなど気をつけ、もし脳貧血を起こしたらその場で頭を下げてしゃがんで休みましょう。たびたび起こる場合は医師に相談して下さい。
2.貧血(自覚症状のない貧血)
 妊娠中は貧血検査が行われます。検査結果に応じて医師からアドバイスがありますが、妊娠中は胎児がお腹の中で自分の血液を作り始めたり、妊婦自身の体も大きくなり、必要な血液の量が増えるので、鉄分を多く含む食品を摂取しましょう。
 
3.抜け毛
妊娠中はホルモンバランスや胎児へ栄養を送るために髪の毛に変化をもたらすこともあります。パサついたり、こしがなくなったり、抜け毛が多くなったりします。栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
4.肌荒れ、吹き出物
 ホルモンバランスの影響で肌のコンディションも悪くなりがちですが、肌を清潔にし、栄養の偏りがないように注意しましょう。
 
5.胃のもたれ、むかつき
 妊娠初期にはつわりによる嘔吐や吐き気が起こりますが、妊娠後期にも子宮に胃が持ち上げられ、胸やけもたれを感じることが多くなります。臨月に入ると少し胎児が下がってくるので楽になります。それでも胃の調子が優れないときは医師に相談しましょう。
 
6.歯や口の中の不快感
 口内炎ができやすくなったり、ホルモンの影響や歯磨きがおろそかになると歯肉炎や虫歯ができやすくなります。ひどくなると歯槽膿漏になることも。妊娠中でも放置せずに歯科医に相談して下さい。
7.手足のしびれ、むくみ
 体の水分が妊娠前より多くなるので体がむくんだり、手足の血液の流れが滞ることでしびれることがあります。指をグーパーグーパーと開いたり閉じたりして治ればそれほど問題は無いのですが、むくみがひどい場合は妊娠中毒症の危険性も考えて、早めに医師に診察してもらってください。
 
8.腰痛
 妊娠中は大きなお腹を支えるために、腰に負担がかかります。長時間同じ姿勢や立ちっぱなしなども腰が痛くなります。妊婦用のガードルや適度に運動することで腰痛を緩和できます。
 しかし、妊娠中の腰痛は、妊娠のせいと決め付けてしまうと危険です。激痛があったり、辛い腰痛の場合は診察を受け、必要ならば整形外科を受診しましょう。
 
9.お腹が張る
 妊娠中にはほとんどの人が感じるものですが、しばらく安静にしていれば治まっていく「張り」は生理的なもので心配は無いでしょう。注意が必要な「お腹の張り」は次のようなものです。
・張りが強く痛みが伴う
 子宮全体が硬くなって痛む場合や、張りや痛みが強くなっていくような場合は、早産や切迫流産の可能性があるので、すぐに受診する必要があります。
 
・張りがあり、出血を伴う
 妊娠21週目ぐらいまでは、お腹の張りと出血には注意して下さい。少量の出血や軽い痛みでも切迫流産の可能性もあります。安静を保つことで妊娠の継続はできるので、落ち着いてすぐに受診して下さい。妊娠後期に出血したりする場合は胎盤早期剥離など危険なものも考えられるので、すぐに医師に連絡し、指示に従うこと。
 
・規則的にお腹が張る
 臨月の場合は、そろそろ陣痛が始まる場合があります。出血も「おしるし」の可能性があるので産院に向かいましょう。
※赤ちゃんが激しく動いたあとのお腹の張りは心配ないでしょう。
 
10.排尿時の痛みや残尿感
 排尿痛や残尿感がある時は、膜胱炎になっている可能性が大きいです。まずは産院で診察を受け、必要ならば泌尿器科を受診します。また、妊娠中は胎児が成長するに従って、膀胱が圧迫され、頻尿になります。



 妊娠は病気ではないからとよく言われますが、妊娠中は体調の変化やトラブルも多くなります。大切な赤ちゃんを元気に生むためには日頃の健康管理と「おかしいな」と感じた時はすぐ医師に相談することが大切です。



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