言葉がもつれる…手足がしびれる…こんな症状はありませんか?
脳梗塞にならないために
 脳梗塞は動脈硬化が原因で起こることが多いことから、中高年の人に多い病気です。  
 私たちは年をとるにしたがい、筋肉、皮膚、臓器などに老化現象が現れてきます。血管もその一つで、長年休むことなく働いてきた血管は弾力性が失われ硬くなったり、動脈内に様々な物質が沈着して血管が狭くなり、血流が滞る状態になるのです。これが動脈硬化です。動脈硬化が進むと血栓が生じ、詰まりやすくなります。脳の血管が詰ま り、脳の血の巡りが正常の5分の1から10分の1ぐらいに低下すると脳の組織が酸素欠乏や栄養不足に陥り、その状態がある程度の時間続くと、その部位の組織が壊死してしまうのです。これが脳梗塞です。   
 脳梗塞の症状は、比較的軽い発作の場合は意識がはっきりしており、片側の手足が動かなくなったり、感覚が低下する半身不随や片麻痺が残ります。ろれつが回らなくなったり、失語症、視覚障害が現れることもあります。重症の場合は意識がなくなり、手足が全く動かなくなるなど大変な病気です。
 
 
脳梗塞になりやすい人
高血圧、動脈硬化、高脂血症、糖尿病、肥満、喫煙などが危険性の高い因子です。
 
圧が高いと常に血管に高い圧力がかかり、流れる血液が血管壁を傷つけやすくなります。このような状態は脳梗塞のほかに脳出血や心臓病、腎臓病など様々な病気を引き起こすきっかけになるので、血圧の高い人は食事の改善、運動療法で血圧を正常値にコントロールすることが重要です。

満している人はやせている人に比べ、心臓が余計に血液を送り出さなければならず、心臓その物や血管に負担をかけます。肥満をもたらす生活習慣は、糖尿病、高脂血症、高血圧、さらに動脈硬化を引き起こしやすく、脳梗塞になる危険因子がいっぱいです。

バコを吸わないことは言うまでもありません。タバコの害は皆さんご存知のとおりです。タバコを吸う人は吸わない人に比べ10倍もガンにかかりやすく、さらに脳梗塞になった場合の死亡率は2倍以上も高いといわれています。

度な飲酒(ワインならグラス1〜2杯、ビール大1杯、日本酒なら1合)は、血管を広げて血液の循環を良くし、ストレスもやわらげることもあろうかと思いますが、適量を超えてしまう人が多いようです。  
日本酒、ビール、焼酎などは高カロリーなので注意。

物繊維を積極的にとることで肥満や動脈硬化を予防することができます。野菜が多い食卓を…。
 
 
【脳梗塞から痴呆になることも】
  脳の血管が詰まることによって、神経系に障害が及び、痴呆が現れるものを脳血管痴呆症といいます。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などが原因で起こる痴呆ですが、原因がはっきりしているので予防はもちろんのこと、治療によってある程度は症状を回復させられる痴呆といえます。  
 痴呆の程度は、血管障害の起こった脳の場所にある神経細胞の役割によって様々です。また、脳梗塞などで倒れて、回復したと思ったとたんに痴呆の症状が現れるなど、始まりがはっきりしています。つまり、脳梗塞や脳出血を防ぐことで予防できる痴呆といえます。
 
【脳梗塞はリハビリが重要】
脳梗塞の後遺症の多くは片麻痺です。リハビリをすることで、自分の身の回りのことができるまでに回復することもありますし、リハビリがその後の生活を左右するといえます。リハビリを行うことで低下した機能を回復させることができます。一般的に脳梗塞や脳卒中などの回復期のリハビリは、歩行訓練と並行して麻痺した筋肉や硬くなった関節の機能を回復させるために温熱療法やマッサージなどを行います。片麻痺の患者さんは、発作直後から適切な治療とリハビリを行っていればほとんどの人が杖などの助けを借りて一人で歩くことができるようになります。回復しつつある機能を後退させないためにもリハビリを続けていく必要があります。
  
家庭でのリハビリのポイント
☆自分でできることは時間がかかってもいいので自分でするように心がける。
☆歩行、指、手の訓練を毎日継続する。(体調が悪い時は休みます)
☆あせらずにゆっくり回復することをイメージして目標をもってリハビリする。
 
リハビリは家族の協力も必要です。病気を正しく理解し適切な援助をしなければなりません。家族は患者さんに明るく優しく楽観的 な態度で接することが大事です。患者さんは今までできていたことができなくてイライラしたり、心無い言葉を吐いたりすることもあ るかと思いますが、その気持ちを理解し、愛情を持って勇気付けてあげることが回復を助けます。 
  
 
 
 
トップページへ