外国では言葉も習慣も異なり、病気になったり怪我をしてもどうすればよいのかおろおろしてしまう人が多いのですが、海外に出かける前に渡航先の医療情報を調べたり、持病のある人は前もってかかりつけの医師に相談しておくことが大切です。
団体旅行で添乗員が同行している場合は、すぐに添乗員に相談します。個人旅行や添乗員がそばにいないような場合は、ホテルのフロントや・コンシェルジェに助けを求めましょう。
診察に先立ち、氏名、年齢、身長、体重、既往症、アレルギーの有無等を英語で書いたものがあると診察がスムーズです。言葉が通じないと時間がかかってしまいます。
海外でかかりやすい病気といえば「下痢症」があげられます。「水が合わない」と言いますが、先進国の水道水は清潔ですが、ミネラル成分が多い硬水の地域が多く、慣れない人が飲むと下痢を起こします。途上国では、水道水でも細菌やウイルスで汚染されていることがあり、蛇口から出る水をそのまま飲むのは危険です。
ミネラルウォーターでも無処理のものがそのまま売っている場合もあるので必ずしも安心できません。煮沸したほうが安全といえます。氷にも注意が必要です。また、魚介類や日持ちの悪い食品は加熱処理したものを時間をおかずに食べるほうが安全です。
虫が媒介する病気には、日本脳炎、マラリア、テング熱、フィラリア症などがあり、熱帯地方に行く時は注意が必要です。虫除け対策をし、予防接種のあるものは受けておきましょう。
帰国後、体調が悪くなって診察を受ける時は、いつ、どこに、どれぐらい滞在したか、何を食べたかなどを詳しく医師に伝えましょう。感染症の場合も考えて受診時はマスクの着用を忘れずに。
楽しい旅行にするためには、出発前からの体調管理が大切です。気になる身体症状がある場合は、治療してから旅行の計画を立てるのがベストです。出発直前に体調に変化を起こした場合は旅行を延期する勇気も必要です。