骨粗鬆症と変形性関節症

 加齢とともに増える病気のひとつに、骨粗鬆症がありますが、65歳以上で約3分の1の人が骨密度が低い状態だと言われています。骨に細かい空洞が多数でき、鬆が入ったように、すかすかの状態になっているのです。骨は体を支える重要な役目をしているので、骨密度が低いと骨折しやすくなります。  

 高齢者が、大腿骨を骨折すると、体を動かさない間にどんどん筋肉が衰え、寝たきりになるケースもあるので、リハビリはとても重要となってきます。

 まず、骨粗鬆症にならないために、骨を丈夫にして体を動かし、少々のことでは骨折しないような体をつくっておかなければなりません。

 

骨はカルシウム・リンたんぱく質でできている

 食事でカルシウムが十分にとれていますか?できれば毎日200mlの牛乳を飲むことと、カルシウムを吸収しやすくするためにビタミンDをとることをおすすめします。ビタミンDは魚介類、干ししいたけ、卵などに含まれています。

 

女性ホルモンが減少するとカルシウム不足になる?

 女性は男性に比べ、骨のカルシウム量が少ない上に、1回の出産で約30gのカルシウムを赤ちゃんに分け与えます。授乳期には1年間母乳を与えたとすると80g以上失われることになります。

 また、更年期になると女性ホルモンが減少し、カルシウムの吸収率が低下するので高齢になるほどカルシウムが不足しがちになります。

 

変形性関節症の原因は肥満から

 変形性関節症は、肥満している人や加齢とともにかかりやすい病気です。50歳くらいから急激に発症が増えます。患者にとっては辛い病気で、関節が腫れ、痛み、動かしにくくなるなどの症状がでます。どの関節にでも起こりうるのですが、圧倒的に多いのはひざです。  

 これは、体重の負担が特にひざにかかってくることが原因です。症状が重くなると、正座したり階段の昇り降りが辛くなります。そうならないためには、骨や関節と筋肉の強化が予防につながります。

 

骨粗鬆症や変形性関節症にならないために

 骨粗髭症を予防するためには、カルシウムとマグネシウムをバランスよく取り入れること。1日の必要所要量にすると、カルシウム600mgに対してマグネシウム300mg(2:1の割合)です。  

 カルシウムは、ご存知の通り、牛乳や乳製品、小魚などに多く含まれていますが、マグネシウムは、アーモンド、大豆、するめ、ひじきなどに含まれ、カルシウムの働きを調節し、循環器系の健康を守る重要なミネラルです。

 骨や関節は使わなければ衰えていきます。骨粗鬆症や変形性関節症などの高齢者に多い骨の病気を予防するために、日頃から体を動かしておくことも大切です。

 

骨粗鬆症の豆知識

牛乳の摂取について

●日本人は牛乳に含まれる「乳糖」を分解できず、牛乳の栄養分を吸収できない?

 牛乳に含まれる乳糖を分解できない「乳糖不耐症」に該当する人が日本人に多いといわれており、乳糖不耐症の人は乳糖を消化する酵素が少ないため、牛乳を飲むと下痢をします。  

 一般的に離乳期を過ぎると乳糖を分解する能力は低下しますが、牛乳1本程度に含まれる乳糖ならほとんどの方が分解できます。

 牛乳1本でも下痢を起こすという方でも、牛乳を温めて、少しずつゆっくり飲めば大丈夫なケースが多いでしょう。

 

●牛乳のタンパク質は胃の中で固まって消化に悪い?

 牛乳に含まれているたんばく質の約80%を占める「カゼイン」が胃の中に入ると、胃酸やたんばく質を分解する酵素(ペプシン)の働きでいったんは固まりますが、その後ゆっくりと分解し、消化されるので問題はありません。

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