広報誌 健康倶楽部/2010年6月号

胆石症の70%以上がコレステロール過多 〜脂肪分の少ない食事を心がけよう〜

 胆石は年齢を重ねるごとにできやすくなり、特に肥満ぎみの中年女性に多く見られます。胆石ができる原因の多くはコレステロールの増加によるものです。胆汁の中のコレステロールは、胆汁酸やレシチンによって溶かされていますが、高エネルギー高コレステロールの食事を続けていると、胆汁に含まれたコレステロール量も増加します。このため、過剰なコレステロールが溶かされないままに結晶化してしまうのです。この胆石は主成分がコレステロールなので、コレステロール結石と呼ばれ、多くは胆のう部分に生じます。胆石症の人の70%以上を占めています。  

 また、栄養状態が悪すぎても胆石ができます。低栄養や低タンパク質の状態が長く続くと、胆汁成分の一つ、ビリルビンがカルシウムと結合しやすい物質へと化学変化を起こし、ビリルビンカルシウムという結晶をつくります。

 昔は、低栄養状態の胆石症が多かったのですが、現在では、胆石症患者全体の20%以下に減少しています。

 

 胆石症の症状は、腹から背中部分の鈍痛や、疝痛発作といってのたうちまわるほどの激痛におそわれたり、発熱や黄疸がみられる場合があります。

 食べ過ぎたり、油っこい食事をしたあと30分から1時間ほどで起こることが多く、右肋骨の下からみぞおちのあたりにかけて、差し込むように痛みます。

 痛みは数時間続いて、吐き気をともなう場合もあります。 高熱が出るときは、胆嚢炎や胆管炎を併発している場合があるので注意が必要です。

 

 胆石は腹部単純X線検査で発見されますが、写らない場合もあり、腹部超音波検査が最も有力な検査法です。胆のう以外にある胆石には経静脈性胆管造影や内視鏡的胆管造影なども行われています。

 

 胆石発作は、脂肪分の多い食事をした後にみられることが多いので、脂肪分を制限した食事をとることが第一の予防法です。脂肪分の少ない鶏肉や魚でタンパク質などの栄養をとるようにし、食物繊維をたっぷりとりましょう。

 また、ストレスも発作を誘発する可能性があるので、ストレスが溜まらないようにリラックスしましょう。コーヒーが胆石症を予防するので、一日1〜2杯飲みながら、ゆっくりとした時間を過ごすとよいでしょう。

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