広報誌 健康倶楽部/2010年6月号

腸管出血性大腸菌感染症 【O-157】

 病原大腸菌の一種、腸管出血性大腸菌がつくる毒素(ベロ毒素)により、腸管の上皮細胞が破壊され、下痢などを引き起こす感染症です。  

 毒素をつくる大腸菌のほとんどが0−157と呼ばれる種類ですが、このほかにも0−26、0−111などの種類もあります。これらの大腸菌は、牛や羊などの大腸内に生息しており、その排泄物を通じて食物や水などから感染することが多いものです。 一年中発生していますが、特に6月から10月にかけて多く発生します。

 

 潜伏期は3日〜14日程度で、発症すると水様の下痢が頻回におこり、3日目ごろからおへその周りが強く痛み、血便が数日続きます。  

 発熱は38度以下で嘔吐はあまりおこりませんが、吐き気や嘔吐を訴える人もいます。乳幼児や高齢者は重症化しやすく、10%程度に溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全などを併発する溶血性尿毒症症候群(HUS)がおこります。 意識の混濁や脳症などがおこることもあり、生命にかかわることもあります。疑わしい症状がある場合はすぐ受診しましょう。

 

予防するには・・・

1、生肉、生しバー、ユッケなどは要注意。特に乳幼児や高齢者など抵抗力の弱い人は食べないようにしましょう。

2、食品は内部までよく焼いて食べましょう。(中心温度が75度1分以上)

3、生肉を触る箸と食事用の箸は別にしましょう。

4、調理や食事前、用便後は必ず石けんで手をよく洗いましょう。

5、まな板、包丁などの調理器具は必ずよく洗い、塩素系消毒剤などで消毒しましょう。

6、タオルの共用はやめましょう。

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