広報誌 健康倶楽部/2010年7月号

睡眠時無呼吸症候群

 いびきは空気の通り道(気道)に狭い部分(狭窄部)ができて睡眠中に出はいりする空気でこの狭窄部が振動して発する雑音です。

 睡眠中に起こるのは、眠るとのどや舌の筋肉がゆるみ、粘膜の緊張が弱まって振動しやすくなること、横になるとのどが狭くなりやすいことなどによります。また、肥満しているとのどにも脂肪がつき、いびきをかきやすくなります。

 いびきの程度がひどくなると、さまざまな障害をおこします。狭窄が強くなると、いびきのあとで数秒から数十秒の間、呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」と呼ばれる状態になります。

 眠っている間に呼吸が止まると、脳が酸素不足に陥って覚醒します。通常、夜眠っている間は血圧が下がりますが、無呼吸の状態になって脳が覚醒すると、交感神経が刺激され、血圧が上がります。

 また、心臓はより強い力で血液を送り出さなければならず、かなりの負担をしいられます。特に呼吸が止まっている時は、血圧が変動しやすく、心筋梗塞や脳卒中による突然死のリスクが高まります。

 睡眠時無呼吸症候群は、肥満している人や高血圧の人に多くみられますが、そのことに気付いてない人は少なくありません。家族と同じ部屋で寝ている人は、家族から指摘されて知ることができますが、一人で寝ている人はなかなか気がつきません。

 高血圧の人や肥満をしている人は、医療機関で睡眠時無呼吸症候群の有無を確認しましょう。ひどいいびきは治療が必要です。狭窄や振動の原因は手術で治す場合もあります。肥満が原因の場合は減量に努めましょう。

 睡眠時無呼吸症候群がある場合は「CPAP」(シーパップ)という装置を使用して、睡眠時の無呼吸をなくす治療もあります。

 ただし、CPAPは睡眠時無呼吸症候群を根本的に治すものではないので、原因となるものの治療をすることが必要です。

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