広報誌 健康倶楽部/2011年4月号

膝に痛みを感じたら…

 膝痛は、加齢や膝のケガによって、膝の軟骨や骨の破壊が進んだ状態です。膝には、平地を歩いているときは、体重の約3倍、走っているときは10倍、階段の昇り降りでは約7倍の荷重がかかります。

 このように、膝関節には大きな衝撃が加わるために障害が発生します。原因は、老化、肥満、ランナー膝などのスポーツ障害、O脚、半月板および靭帯の損傷、外反母趾などがあげられます。

 変形性膝関節症

 膝痛を訴える患者さんの約半数以上が変形性膝関節症です。変形性膝関節症の症状は何年もかけて徐々に進行します。最初は膝に違和感を感じる程度ですが、長時間座ったままでいると関節がこりかたまったようになります。

 症状が進行すると徐々に痛みを伴うようになり、歩き始めや膝を動かし始めたときに痛みます。さらに進行すると膝にギシギシとした痛みが生じます。ひどくなると膝に水が溜まる症状がおき、膝が腫れます。

 半月板損傷

 半月板に過剰な衝撃や必要以上のねじれが加わると、亀裂が生じたり、ねじ切れるように裂けたりします。

 原因は、バスケット、サッカー、バレーボールなどのスポーツや高い所から飛び降りるような衝撃を受けたときに発生します。

 半月板は血管分布が乏しく、一度破損すると修復されないまま残存することがあるので非常に厄介な損傷と言えます。受傷後すぐに荷重歩行痛、関節の腫張、場合によっては嵌頓(かんとん)症状(膝に物がはさまり、曲げ伸ばしがしにくくなる状態)や、膝裏からふくらはぎの上部にかけての放散痛が発生することもあります。

 慢性期には、嵌頓症状や荷重歩行痛、関節に水が溜まる状態がみられます。

<膝痛がある人は…>

 まず、膝痛になったら自己判断せず、一度、整形外科医にきちんと診察してもらいましょう。

■ 肥満している人は、理想体重になるように心がけましょう。肥満すると膝への負担が大きくなります。

■ スポーツや外傷などによる急性の痛みの場合は、炎症のある部分を冷やすようにします。

■ 変形性膝関節症などの慢性の痛みがある場合は、おおむね温めるのが良いとされています。冬の寒い時期などは血液の流れが悪くなるので痛みがおこりやすくなります。

■ 膝が痛いからと言って体を動かさないのはいけません。膝を使わないでいると、まわりの筋肉が衰えて、関節にかかる負担がますます増え、痛みが強くなるという悪循環に陥ります。痛みがある程度おさまったら、できるだけ歩くようにしたり、ストレッチを行うなどして、膝を少しずつ動かしましょう。

■ 膝関節を支えるサポーターを使用する。膝関節を覆う組織や関節を支える筋肉が上部であれば膝が安定し、膝痛は緩和されます。膝用のサポーターをしようすることで歩きやすくなります。

 

 

健康倶楽部トップページへ

総合南東北病院トップページへ