広報誌 健康倶楽部/2011年4月号

骨粗しょう症を予防しましょう

 年をとると誰でも骨量が減っていきますが、減りやすい体質や生活環境があって個人差があります。

 骨粗しょう症は、骨の量が減り、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気で、特に閉経後の女性や高齢者に多くみられます。骨粗しょう症は、原因のはっきりしていない原発性骨粗しょう症と、原因のはっきりしている続発性骨粗しょう症とに分類されています。原発性骨粗鬆症こなるひとが多いのですが、これはさらに閉経後骨粗しょう症と老人性骨粗しょう症に分けられます。

 高齢の女性の場合は、閉経と老化の両方の要素が絡み合っているので必ずしも区別できません。

 一方、続発性骨粗しょう症は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)の服用や、関節リウマチなどが原因でおこることが多く、男性や若い人でもおこります。

 骨の量が減って、骨がもろくなると骨折しやすくなります。骨折する場所で最も多いのは背骨で、そのために腰や背中の痛み、猫背になってきます。しかし、まったく痛みがなく、いつのまにか猫背になったり、身長が縮むといった人も少なくありません。

 骨粗しょう症で最も気をつけなければならない骨折は、股の付け根の骨折(大腿骨頸部骨折)です。この部分の骨折は、70歳以降に急激に増加します。その大多数が転倒によっておこっています。高齢者の骨折は寝たきりの原因になることが多いので転倒しないようにする予防も重要です。

 骨粗しょう症になりやすい要因

遺伝  偏食や過度のダイエット  閉経  喫煙  骨折の経験  運動不足  過度の飲酒 
肝臓、腎臓、甲状腺などの病気  副腎皮質ホルモンの薬を長期服用している

<骨を強くするためにカルシウムとビタミンDをとりましょう>

 カルシウムを含む食品は、牛乳や乳製品以外にもあります。牛乳や乳製品がどうしても無理だという人は、小魚や大豆製品、野菜からもとれます。

 カルシウムの吸収が悪くなったり、せっかくとったカルシウムを体の外へ排泄してしまうものもあるので、骨のためにとりすぎないようにしたいものがあります。肉類やハムなどの加工食品、・カップ麺などに含まれているリンは過度に吸収するとカルシウムの吸収を阻害します。ナトリウムはカルシウムの排泄が促進されるので、減塩を心がけましょう。

カルシウムを多く含む食品

牛乳、ヨーグルト、チーズ、干しえび、きびなご、たたみいわし、じゃこ、豆腐、高野豆腐、がんもどき、小松菜、大根の葉、春菊、切り干し大根、ひじき

ビタミンDは魚介類に多く含まれます。

また、ビタミンDは紫外線にあたると皮膚でも合成されます。

<一日に必要なカルシウム量>

 一日に必要なカルシウム量は年代によって違いますが、成人で600mgです。高齢者は食が細くなりがちで、さらにカルシウム吸収能力も低下するので600mg以上とれるように心がけましょう。特に日本人は、カルシウム不足の人が多いので、できればカルシウムの吸収が良い牛乳やヨーグルトなどを毎日摂取するようにしましよう。

 

カルシウムがいっぱい ふりかけを作ろう!

材料 煮干し
さくらえびや干しえび
ごま

適量をフライパンで炒り、それをすり鉢でするかミキサーなどで細かくくだくだけで出来上がり!

 

 

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