広報誌 健康倶楽部/2011年5月号
めまいとは目が回る、あるいは目がくらむことをいいますが、これは病名ではなく症状のひとつです。
回転性めまい
・自分自身かグルグルまわっている感じ
・周囲がグルグルまわる感じ
・物が左右や上下に流れていく感じ
めまいか強いときには吐き気がしたり、立つことや歩くことが困難になります。平衡器官に血流障害や炎症、内耳のむくみなどが起きた場合に生じます。耳や脳の病気でも起きることがあります。
考えられる病気 メニエール病・突発性難聴・前庭神経炎・中耳炎・小脳出血・脳幹部出血など
動揺性めまい
・自分の体や頭がグラグラと揺れている感じ
・歩くとグラグラとふらつく感じ
・座ってじっとしているときにグラグラ揺れる感じ
脳や耳に病気がある場合に起こります。高血圧や糖尿病の人は動脈硬化になりやすく、脳の病気につながります。生活習慣病の人は要注意です。
考えられる病気 脳梗塞・脳腫瘍・小脳や脳幹の出血・聴神経腫瘍・一過性脳虚血発作・薬物性のものなど
浮動性めまい
・フワフワとした感じで地に足がつかない感じ
・自分の体が空に浮いているような感じ
めまいの度合いはあまり強くはありませんが、フワフワした状態が長い時間続くこともあります。
考えられる病気 脳梗塞・一過性脳虚血発作・脳腫瘍などの病気やメニエール病・突発性難聴などの耳の病気・その他、ストレス・自律神経失調症・更年期障害・睡眠不足・生活習慣病・過労など
めまいの治療は薬による治療、外科的治療(手術など)理学療法、平衡訓練などがあります。
1.薬による治療
めまいが起こったときには、めまい以外に吐き気や嘔吐などを伴ったり、不安がめまいを一層悪化させたりする場合があるので、症状に応じた薬が処方されます。内服が困難な場合は注射や点滴をします。薬には、抗めまい薬、吐き気止め、高不安薬、ステロイド薬、浸透圧利尿薬、ビタミン剤などが用いられます。
2.外科的治療(手術)
薬により治療では改善しない場合や、頻繁にめまいが起こり、日常生活に支障をきたすといった場合には手術を行います。
3.理学療法
良性発作性頭位めまい症では、頭やからだを動かして、めまいの原因となる内耳の半規管内の耳石を元に戻します。
4.平衡訓練
からだのバランス感覚を取り戻すために、眼を動かしたり、脳を動かしたりして平衡訓練をします。
めまいの他に次のような症状がある場合はすぐに受診し、検査、治療が必要です。
・意識がなくなった
・激しい頭痛やけいれんがおきた
・手足や唇にしびれ感がある
・物が二重に見える、物が見える範囲が狭くなったり暗くなる
・顔半分、身体半分の感覚がおかしい
・激しい吐き気
めまいを感じたときは、まず気持ちを落ち着かせることです。楽な姿勢で体を休め、安静します。過労、睡眠不足、過度のストレスは自律神経を乱されるので十分に休養することが大切です。