広報誌 健康倶楽部/2011年6月号

口臭の原因と対策

 口から吐き出される息とともに出てくる嫌な臭いが口臭です。口臭はなかなか自分では気がつかないもので、知らずに周囲を不快にさせている場合があります。

 

 口臭には「生理的口臭」「食べ物による口臭」「病的口臭」があり、朝起きたときなどに感じる「生理的口臭」やにおいのきつい食べ物(にんにく、ニラなど)を食べたときに発生する「食べ物による口臭」は一過性で口をゆすいだり、時間が経てば薄れていきます。

 しかし、「病的口臭」は虫歯や歯周病などの口の中の病気や喉の病気、呼吸器や消化器、糖尿病など体の病気によっておきる口の臭いです。口の衛生に気をつけていても臭いがする場合は体の病気が疑われます。

虫歯・歯周病による口臭

虫歯ができると虫歯の穴に詰まった歯垢や食べかすが発酵し、口臭のもととなります。歯周病になると、歯垢が食べかすなどをもとに繁殖するために口臭の原因となります。さらに炎症を起こして膿を持つと悪臭を放ちます。

唾液の分泌量の低下による口臭

唾液は、口の中を殺菌し、清潔に保つために欠かせません。しかし、加齢や睡眠不足、禁煙などによって唾液の分泌量が低下すると口臭発生の原因となります。

胃腸機能の低下による口臭

風邪を引いたり、胃腸内の環境が悪化すると悪玉菌が優勢になり、腸内で毒素や有害物質が産生されます。これらの物質が発する臭いが血液によって肺に運ばれ、呼気に含まれ口臭となります。

蓄膿症が原因の口臭

蓄膿症は、鼻の奥に膿がたまる病気です。蓄積した膿が放つ悪臭が鼻を通って口から呼気として発せられることによる口臭もありますが、実は、膿の臭いにより、蓄膿症によって鼻がつまり、口呼吸が多くなり、口腔内が乾いてしまうドライマウスによるものが多いです。

妊婦や更年期による口臭

妊娠中や閉経前後の更年期は女性ホルモンのバランスが大きく変化します。そうすると、身体に変調をきたしたり、抵抗力を弱めたりする要因となります。抵抗力が弱まると口腔内の細菌が繁殖しやすくなり、口臭や歯周病の元になります。
また、生理的な要因に加えて、妊娠中の女性は情緒不安定になりがちでストレスを抱えていることが多く、唾液の分泌量が低下しやすくなっています。

 このように、口臭には色々な原因があります。口臭は自分では気づきにくく、知らず知らずのうちに他人に不快な思いをさせているのではないかと不安になる人も多いはず。

<自分の口臭をチェックしてみよう!>

 コップに息を吹き、手でふたをします。その後、きれいな空気を吸った後、コップに貯めた呼気の臭いを嗅いでみてください。

 最近では、口臭測定器が市販されています。息を吹きかけることで、口臭があるかどうかを瞬時に判断できるので便利です。

 口臭を予防するには、口の中を清潔にすることでほとんどの場合は軽減されます。口の中の特に歯と歯茎の間は細菌が繁殖するのに絶好の場所です。歯垢を除去し、細菌が増えないように正しく歯を磨くことが大切です。また、舌に蓄積するカス(舌苔)も影響して、口臭がする場合も多いので、定期的に除去することが必要です。それでも口臭が気になる人は、口臭治療の専門医を受診することをおすすめします。

 

 

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