広報誌 健康倶楽部/2011年6月号
野菜や果物には強力な抗酸化作用があるので、積極的にとりましょう。
キャベツ……キャベツに含まれる「イソチオシアネート」には強力ながん抑制効果があり、ペルオキシダーゼはニトロソアミンという発がん物質を抑制する酵素です。ビタミンCも多く含まれていて、抗酸化作用があり、活性酸素による発がんやがんの増殖を抑えます。
ブロッコリー……ブロッコリーに含まれているスルフォラファンはイオウ化合物の一種で強力な抗がん作用があります。カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、鉄なども含まれ、優秀な野菜のひとつです。
にんじん……にんじんには豊富なカロテンが含まれています。カロテンは体内でビタミンAに変化し、免疫力を高める働きをします。
強い抗酸化作用があるので、がん予防に効果があります。特に肺がんや胃がんを予防する効果が高いとされています。毎日、にんじんジュースを飲んでいる人は、飲んでいない人に比べてがんの発生が少ないという報告があります。
大根……大根には豊富な消化酵素が含まれています。ジアスターゼは食べ過ぎによる胸やけや消化不良などを改善し、オキシターゼは魚などの焦げた部分にできる発ガン物質を解毒する働きがあるといわれています。焼き魚を食べるときは大根おろしと一緒に食べることをオススメします。大根の辛み成分はイソチオシアネートというイオウ化合物で、強力な抗酸化物質です。肝臓の解毒作用を強めてがんを予防したり血栓をつくりにくくする作用があります。
あしたば……あしたばはセリ科の植物で茎を切ると独特の黄色い汁が出てきます。この黄色い汁に含まれるカルコンという物質には強力な抗酸化作用があり、がんだけではなく、潰瘍、血栓を予防する作用があります。カロテンやビタミンCを豊富に含み、高血圧を改善するカリウムや骨を丈夫にするカルシウムも含まれています。
にんにく……アメリカ国立がん研究所作成の「デザイナーフーズピラミッド」で最上位に位置づけられているにんにくは、がん予防食品として注目をあびています。にんにくの臭いのもとは硫化アリルです。硫化アリルには体内で発がん物質を抑制する酵素の働きを高め、解毒作用を促す働きがあります。
トマト……トマトにはリコピンという赤い色素成分があり、リコピンの抗酸化作用はカロテンの数倍以上といわれています。ビタミンA、C、Eが豊富に含まれ、これらが相互に働いて強い抗酸化作用を発揮し、生活習慣病の予防にも役立ちます。
りんご……りんごは「医者いらず」といわれるほど昔から健康にいいと言われています。りんごの皮にはアントシアニンなど、豊富なポリフェノールが含まれているので、よく洗って皮ごと食べることをおすすめします。りんごに含まれるペクチンは腸内環境を整えます。
温州みかん……クリプトキサンチンという抗酸化物質が注目されており、クリプトキサンチンはカロテンの仲間ですが、カロテンよりも強力な抗がん作用があるといわれています。
柿……カロテンが豊富で免疫機能を高めます。クリプトキサンチンやペクチンも多く含まれるので大腸がんを予防する働きが期待できます。
※がんや生活習慣病は野菜や果物を食べることで予防していくことが大切です。
バランスよく栄養を摂取することが健康な体をつくる基本となります。
ビタミンの種類とその影響
種類 | 体への作用 | 欠乏症の症状 | 1日の所要量(成人) |
ビタミンA |
網膜の光への反応を助ける、 |
夜盲症、目の乾燥、 |
600μg |
ビタミンB |
糖質の代謝を促進する、 |
脚気、多発性神経炎、 |
0.8〜1.1mg |
ビタミンB2 |
免疫力を強化する、 |
口内炎、皮膚の炎症 |
1.0〜1.2mg |
ビタミンB6 |
脂肪、 |
口内炎、皮膚の炎症、 |
1.2〜1.6mg |
ビタミンB12 |
糖質、脂質、タンパク質の |
貧血、月経困難症、 |
2.4mg |
ナイアシン |
性ホルモンを合成する、 |
皮膚の炎症、 |
13〜16mg |
葉酸 |
細胞を再生する、 |
貧血、下痢、舌炎 |
200μg |
パントテン酸 |
免疫力を強化する、 |
手足のしびれ、 |
5mg |
ビタミンC |
生体内抗酸化作用、 |
壊血病、貧血、 |
100mg |
ビタミンD |
カルシウムやリンの |
骨粗鬆症、不眠症、 |
2.5μg |
ビタミンE |
抗酸化作用、老化を防止する |
貧血、手足のしびれ |
8〜10mg |