広報誌 健康倶楽部/2011年7月号

DHA・EPAのすぐれた働き

魚に含まれるDHAやEPAなどの脂肪酸には、血液をサラサラにする効果だけではなく、さまざまな生活習慣病への効果があります。

魚は、肉と並んで必須アミノ酸を豊富に含んでいる良質のタンパク源です。肉も魚も平均2割くらいタンパク質が含まれ、量としては同じくらいですが、体内で利用される量は魚のほうが多いのです。

魚の油に含まれるDHAとEPAには、血栓をできにくくしたり、コレステロール値や血圧の上昇をおさえる作用があります。脳梗塞などの脳の病気を予防するだけではなく、脳の老化や痴呆症の改善にも効果が期待される栄養素です。

魚は旬のもので新鮮なものを選びましょう。旬の魚は脂がのっていて栄養豊富で美味しくいただけます。

あじ 旬:春〜初夏

あじは青背の魚のなかでもサッパリとしていて食べやすく、うま味成分のイノシン酸やグルタミン酸、タウリンなどが豊富に含まれています。

DHA・EPAなどの不飽和脂肪酸を多く含んでいて、血液をサラサラにして、血中の中性脂肪やコレステロールを減少させる効果があります。その他、骨作りに欠かせないカルシウム、疲労回復に効果があるビタミンB1、造血作用に関わるビタミンB12、三大栄養素をエネルギーに変換するビタミンB2などが含まれています。

いわし 旬:秋〜冬

一般にいわしといえば、まいわしをさします。いわしは、良質のタンパク質と脂質に富み、鉄やカルシウムなどのミネラルも豊富に含まれています。さらにビタミンA、B群、E、Dも含まれています。不飽和脂肪酸のDHAとEPAは血中のコレステロールを低下させる働きがあり、動脈硬化や高血圧の予防に効果を発揮します。

いわしにはカルシウムが豊富に含まれていますが、カルシウムの吸収を高めるビタミンDも含まれているので、効果的なカルシウム吸収が期待できます。

さば 旬:秋

さばは青背の魚の代表選手。良質のタンパク質と脂質、ビタミンB群が豊富に含まれています。脂肪にはDHA,EPAがたっぷり含まれています。さばは新鮮なものを選びましょう。さばにはアニサキスが寄生していることがあります。加熱や冷凍で死滅しますが、酢でしめても死滅しません。

さけ 旬:秋〜冬

さけの赤い色素は、アスタキサンチンという天然のカロテノイドです。その抗酸化力はビタミンEの1000倍もあるといわれています。老化の元凶である活性酸素を除去し、免疫力を高め、血管の酸化を防ぎます。さけに含まれるタンパク質は他の魚に比べて消化・吸収が良く、脂肪にはDHA・EPAもたっぷり含まれています。

皮にはカルシウムが含まれているので、焦がさないように調理して皮まで食べたいものです。

かつお 旬:初夏〜秋

かつおの栄養価はレバーに匹敵するともいわれており、ビタミンB群、D、ナイアシン、鉄、カルシウムなどが豊富に含まれています。なかでもビタミンDは100gで一日の摂取量が補給できます。血合の部分には鉄分が豊富なので、貧血予防には最適です。また、必須アミノ酸の成績表であるアミノ酸スコアは卵と同じくパーフェクトの100を示しています。かつおは血液をサラサラにし、脳の働きを活発にします。

さんま 旬:秋

秋の味覚といえばさんま。青背の魚、さんまにはDHA・EPAが豊富に含まれています。カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルやビタミンA,B群、D、E、ナイアシン、葉酸なども含まれ、疲労回復、肥満防止、体力増強に効果があります。

さんま特有のうま味を作り出しているのがタウリンやイノシン酸。タウリンはコレステロールを排出する働きや、心機能、肝機能を向上させる働きがあります。イノシン酸は代謝機能を促進させます。

 

 

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