広報誌 健康倶楽部/2011年10月号

慢性閉塞肺疾患(COPD)

COPDとは、空気の通り道である気管支や肺などに障害が生じます。患者さんの90%以上は喫煙者となっています。また、本人がタバコを吸わなくても、副流煙による受動喫煙でCOPDになる人も少なくありません。

副流煙には発がん物質をはじめとする有害物質のタールやニコチンなどが含まれています。

その他にも鉱山や工場、建築現場などで粉塵などを長時間吸い込むことや、大気汚染などもCOPDを引き起こす原因になります。

COPDは進行性の病気です。初期の症状は、咳、痰が出る、息切れなどが見られます。これらの症状はありふれたものなので、COPDに気づかないまま放置していると、病気はどんどん進行し、悪化していきます。

COPDが進行すると、咳・痰が止まらない、ちょっとした動作の際に息切れがするなど、日常生活に支障をきたすようになります。そして重症になると、重大な病気を併発したり、身体が動かず、寝たきりになるなどの深刻な症状が現れます。

<COPDを予防するには「禁煙」すること!>

COPDの最大の原因は喫煙といわれています。

COPDの患者さんの90%が喫煙者で非喫煙者に比べて喫煙者ではCOPDの発症リスクは6倍です。

喫煙者の約10%〜15%がCOPDを発症し、高齢者に限ると50%近くがCOPDを発症しているといわれています。

タバコの煙の中には、約4700種類もの化学物が含まれています。この中には有害な化学物質が数多く含まれており、特に人体に悪影響をおよぼすのはニコチン、タール、一酸化炭素です。これらの成分が、気管や気管支に炎症を起こしたり、肺胞の構造を破壊したりして、呼吸機能を低下させます。

また、肺の細胞の遺伝子に影響を及ぼし、肺がんを発症させる因子となります。

そして、タバコの煙はタバコを吸わない人をも苦しめます。受動喫煙と言われていますが、タバコを吸わない人が同じ空間で喫煙している人の吐き出す主流煙・副流煙を呼吸とともに吸ってしまうのです。タバコは喫煙者本人だけではなく、周りの人の健康も損なう恐れのあるものだということを知って頂いて、禁煙にチャレンジして下さい。

 

 

健康倶楽部トップページへ

総合南東北病院トップページへ