広報誌 健康倶楽部/2012年1月号

不整脈の症状と原因

健康な成人の安静時の拍動数は1分間に60〜80回程度

<不整脈とは>

不整脈とは、脈の打ち方がおかしくなる状態を意味します。

患者さんが初めて不整脈に気づくのは、ドキドキと動悸がしたり、脈をとってみると、異常に遅かったり、逆に速すぎたり、または飛んだり、不規則になったりしている等、自覚する場合が多いようです。

また、自分ではまったく気がつかないのに、病院で心電図をとると「不整脈があります」と言われて、わかる場合もあります。

<不整脈の原因>

●心臓や体内に問題がある場合

心臓自体に病気がある場合(例えば心筋梗塞や心筋症など)、心臓の筋肉が障害を受けていることがあると、刺激伝導系にも障害が生じ、不整脈は起こりやすくなります。

心臓以外の病気(例えばホルモンや血液中の電解質イオン・自律神経系活動などのバランスが崩れるような病気の場合)でも、不整脈が合併症として現われることがあります。これは心臓が、ホルモンや血液中の電解質イオン・自律神経によって心拍数や収縮力の調整を受けているためです。

そのほか、高血圧の人、肺に病気がある人、甲状腺に異常がある人も、不整脈が出やすいことが分かっています。

また、心臓病などの治療のために服用している薬の副作用で、不整脈を生じることもありますので、心当たりのある人は主治医やかかりつけの薬剤師に相談するとよいでしょう。

●原因が不明な場合

不整脈と診断されて検査を受けても、はっきりした別の病気や心臓の疾患が見つからず、不整脈の原因が不明なことがあります。

この場合は、生まれつき刺激伝導系に異常がある場合や加齢によって刺激伝導系の機能の低下がおこっている可能性が疑われます。

また、高血圧や喫煙、精神的なストレスなど、心臓に負担をかけるさまざまな要因が複合的に合わさって、不整脈を悪化させている可能性も考えられます。

<洞性不整脈とは?>

洞性不整脈とは心臓の拍動のリズムは正常であるが、興奮の間隔が乱れているような場合をいいます。

心臓は規則正しく拍動していると思われていますが、実は拍動の間隔はあまり正確ではありません。例えば、息を吸ったときには間隔は短くなり、息を吐いたときには間隔は長くなります。

自分で脈を触りながら、深く息を吸込んでみてください。脈が速くなります。次に息を深く吐いてください。脈が遅くなります。これが洞性不整脈ですが、軽度なものは正常者にもあるので、あまり心配する必要はありません。こうした拍動の間隔の乱れが特に目立つ場合が洞性不整脈として、治療対象になります。健康診断で洞性不整脈という診断がつくのは、この症状が少し目につくという場合です。若い人でよくみられる症状です。

<洞性頻脈と洞性徐脈>

不整脈の症状のうち、脈は正常で規則的でありながらも速くなるものが洞性頻脈で、脈は正常で規則的でありながらも遅くなるのが洞性徐脈と呼ばれています。どちらも洞房結節に問題があると考えられています。頻脈性不整脈のなかで、洞性頻脈はほとんどの場合、心臓以外のからだの調子を反映した機能的なもので、治療する必要はありません。運動や精神的緊張、アルコール、発熱などによって健康な人にも見られます。

ただ、ときに心不全や甲状腺機能亢進症に伴って起きる場合がありますので、健康診断などで、洞性頻脈を指摘された場合は、一度しっかりと全身の精密検査を受けるとよいでしよう。

 

不整脈の症状は、30歳を過ぎるとほとんどの人に起こってくるといわれます。つまり、たとえ不整脈があっても、それが重篤な問題となる人は、とても少ないのですが、しかし、自分の不整脈がどのようなものなのかを一度病院で調べることは必要といえます。

<原因を取リ除く生活をする!>

不整脈の原因としては、慢性的な過労・運動不足・喫煙・脂肪分やコレステロールの高い食事・過度の飲酒・精神的・肉体的ストレスなどが生活習慣の中で考えられています。

コレステロール値が高い人や、親族に心臓疾患を患った人がいる人、太りすぎと指摘されている人・高血圧の人・糖尿病の人・動脈硬化を患っている人も、不整脈を引き起こし易いことを覚えておきましょう。つまり、予防のためには、これらのことを注意した生活習慣や食生活を心がけることが重要です。

ストレスや疲労をためない、睡眠を十分にとるなどの健康管理も、不整脈の予防と治療につながります。

 

 

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