広報誌 健康倶楽部/2012年1月号
くも膜下出血は誰にでも起こりうる病気ですが、特に40歳頃から気を付けたい病気のひとつです。
くも膜下出血は突然の頭痛で発症します。このときの頭痛は後頭部をハンマーで殴られたような激痛と表現する人もいます。重症ですと倒れてそのまま呼吸が止まってしまうこともある怖い病気です。
脳は3層の髄膜で囲まれていて、その中間の膜が「くも膜」です。脳とくも膜の間にある脳の動脈にこぶができ(動脈瘤)、こぶが破裂すると血液がくも膜と脳表の間に広がります。脳動脈瘤はよほど大きくなって周囲の組織を圧迫しないかぎり、症状が出ません。ですから、昨日まで元気だった人が突然脳動脈瘤が破裂して、くも膜下出血になってしまう可能性があるのです。
などです。病気の程度にもよりますが、頭痛の他に嘔吐や意識を失うことが多くあります。くも膜下出血は、はじめはたとえ軽くてもすぐに再出血を起こしやすく、さらに重症になります。
最も強力な危険因子は喫煙です。喫煙者は非喫煙者に比べて男性で3.10倍、女性で2.26倍リスクが高いといわれています。
高血圧はほかの病気の危険因子でもたびたび登場します。高血圧の人は正常血圧範囲内になるようにしましょう。
家族に脳卒中に罹ったことのある人がいる場合はリスクが高くなります。
多量飲酒はくも膜下出血の発症や死亡と関係があるといわれています。
とくに女性は日常生活におけるストレスなどが原因でくも膜下出血を引き起こすこともあるといわれています。
加齢にともない患者数が増えてきます。40歳代から目立ち始め、50歳代からは急に増えてきます。
くも膜下出血は、やせた高血圧の人、やせた喫煙者に危険性が高いといわれています。
もし、周囲の人が突然の発作で倒れるようなことがあったらすぐに救急車を呼び、救急車が到着するまでの間、次のような対処をしましょう。
脳卒中が起こったら発症から3時間以内に治療を受けることが重要です。脳卒中はしばしば軽い症状から始まり、時間の経過とともに悪化していきます。症状が軽いと救急車を呼ぶのをためらってしまい、様子を見ている間に悪化して取り返しの付かない事態になってしまったというケースもあるので、早急に救急車を呼びましょう。