広報誌 健康倶楽部/2012年3月号

「血糖値が高め」は注意信号

「血糖値が高め」は、糖尿病の一歩手前ということを意味します。「症状もないし…いつもと何も変わらないから大丈夫。」なんて思っていませんか?

血糖値が高いと気づいた段階で、血糖値を下げる対策をとらないと糖尿病になり、進行すると神経や腎臓、目などに合併症を起こしたり、動脈硬化を進行させてしまうこともあります。

日本人の糖尿病の約8割は生活習慣病が原因で起こる2型糖尿病です。2型糖尿病の人は肥満体系の人が多く、食べ過ぎや運動不足などの生活習慣の乱れが原因になっています。「血糖値が高め」の人は自覚症状が出る前に生活習慣を改善し、血糖値を正常に戻す努力をしなければなりません。

<食生活の改善>

高血糖を改善するためには食生活を改善することが基本となります。現代人は食生活が不規則であったり、食事の内容が高脂肪高カロリーであったりと肥満を招くようなものであることが多く、高血糖になりやすいといえます。

エネルギーをとりすぎていることをわかっていない人が多いようです。中高年になると若い人に比べて運動量が少なくなり、基礎代謝量も違います。若いころと同じように食べていると肥満してしまいます。エネルギーをとりすぎないような食事改善をすれば、体重が減り、血糖値も改善していきます。体重が2〜3kg減るだけで血糖値が下がる人もいるので少しずつでも減量に取り組むことが大切です。ここで減量について注意したいのは栄養が偏らないことです。健康なからだを維持するための6つの栄養素はバランスよくとることが必要です。

6つの栄養素とは…

<できれば毎食野菜を食べる>

糖尿病だけではなく、生活習慣病を予防するには一日に野菜を300g食べる事がすすめられています。都会の人ほど野菜を食べる量が少ないといわれています。

野菜はエネルギーが低くビタミンや食物繊維が豊富に含まれており、健康のためには毎食野菜を食べるのが理想です。ただし、いも類やかぼちゃはエネルギー量が高いので食べ過ぎないこと。

<青背魚を積極的に>

肴は肉類に比べて一般的に脂質が少ないので血糖値が高い人は魚を選ぶと良いでしょう。魚にはDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコペンタエンさん)という成分が含まれています。特に青背魚(まぐろ、いわし、さば、さんまなど)に多く含まれ、血液をサラサラにして血栓をつくりにくくし、動脈硬化になりにくくします。また、血糖値を改善する効果があるので、オススメの食材です。

<有酸素運動で運動不足解消>

お腹が出てきたら要注意。肥満は膵臓に負担をかけ、インスリンの利用効率を悪くするため血糖値があがりやすくなります。運動をすることによりエネルギーを消費し、体脂肪が減り、肥満が解消されます。

高血糖の改善にむいているのは有酸素運動です。有酸素運動にはウォーキング、ジョギング、水泳、エアロビクスなどがありますが、今まで運動らしい運動をしていなかった人は、ウォーキングから始めましょう。これらの運動は血糖値が高めの人には大変効果がありますが、中には運動してはいけない人がいるので、必ず主治医と相談してから行いましょう。

★運動するタイミング

運動の効果を高めるには、食後1〜2時間頃、1回につき30分以上運動することです。食後は血糖値が上昇し、そのピークが食後1〜2時間後なので、そのタイミングに運動すると、血糖値の上昇をゆるやかにすることができます。また、運動を開始してしばらくは血糖が優先的に消費され、30分を超えたあたりから脂肪が消費されるようになるので、肥満を解消するには30分以上の継続した運動が必要です。

ポイント 食生活改善+適度な運動の習慣=体重減少、血糖値下がる

 

 

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