広報誌 健康倶楽部/2012年4月号

不眠症の治療に用いる睡眠薬の正しい使い方

不眠の悩みをもつ人は多く原因はさまざまです。心配事があったり、不安や緊張などのストレスで眠れなくなることはよくあることです。その他、高齢者に多い頻尿で夜中たびたびトイレに起きる人や、アトピー性皮膚炎などのかゆみが睡眠を妨げる場合などもあります。うつ病などの心の病気が原因で不眠症になっている人も少なくありません。

不眠の解消には、このような睡眠を妨げている原因を取り除き、不眠を招いている病気の治療をするのが先決です。自分で努力しても不眠が続き、生活に支障を起こす場合は睡眠薬を用いた治療が必要な場合もあります。睡眠薬は正しく用いれば安全に使える薬です。

不眠のタイプに応じて睡眠薬が使い分けられます。現在、睡眠薬は、作用時間、体への作用の強さの二面から選択されるようになっており、作用時間が短い薬は睡眠の始まりの部分にだけ効果をあらわし、翌朝に作用を持ち越しません。入眠障害の人に向く薬です。睡眠導入剤と呼ばれるのはこのタイプです。一方、やや長時間、穏やかに効く中時間作用型や長時間作用型の薬は、夜中に何度も目を覚ます中途覚醒のタイプや朝早くに目が覚めてしまう早朝覚醒の人に向きます。

睡眠薬を処方されたら、医師に指示された量をかならず守って服用します。睡眠薬は就寝前に服用し、服用して30分以内に床につくようにします。

<睡眠薬の副作用>

薬には多かれ少なかれ副作用があります。睡眠薬の主な副作用は次のとおりです。

 

睡眠薬を使用するときの注意

睡眠薬とアルコールを併用するのは絶対にいけません。睡眠薬の吸収を高めて作用を増強するうえ、脳への作用が重複し危険です。

その他、抗ヒスタミン薬、胃潰瘍などの薬、高血圧や狭心症などの薬を飲んでいる人も注意しなければならないので、現在飲んでいる薬を医師に報告して処方してもらう必要があります。

 

睡眠薬についてのQ&A

Q.睡眠前に薬を飲んでも、途中で目が覚めてしまい、また寝付けなくなってしまいます。薬を追加して飲んでも大丈夫でしょうか。

A.途中で目が覚めて寝付けないようでしたら、薬の作用時間が合っていない可能性があるので、医師に相談してください。勝手に薬を追加して飲んだり、量を増やして飲むことは絶対にやめて下さい。

Q.不眠で悩んでいますが、仕事で自動車を運転するので、睡眠薬を使用してもいいものかどうか迷っています。

A.自動車を運転する人は睡眠薬を使用してはいけないというわけではありませんが、中時間作用型や長時間作用型の薬では、眠気を催すほどではなくても薬の作用が続いてる場合もあります。自動車を運転するのであれば、医師にそのことを告げ、翌朝に持ち越さない薬を処方してもらいましょう。体調がすぐれない時や、頭がスッキリしない時はすぐに自動車の運転をやめれるようにしましょう。

 

 

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