広報誌 健康倶楽部/2012年4月号
尿酸が過剰につくられたり、腎臓での排泄が不良になって尿酸濃度が高くなり、7.0mg/dl以上になると「高尿酸血症」と呼ばれます。尿酸の結晶が関節にたまり、強い炎症を引き起こすと一晩のうちに関節が痛くて歩けないほど真っ赤に腫れる急性関節炎、いわゆる痛風発作を起こします。
尿酸は、体内の新陳代謝によって生じる物質で、健康な人の血液中にも溶け込んでいますが、多くなりすぎると結晶化して、痛風の症状を引き起こす原因になります。
内臓脂肪がたまり、肥満している人は、尿酸値が上昇しやすくなっています。このような生活習慣病型の高尿酸血症は、メタボリックシンドロームが迫っている、あるいはそうなってしまったという危険を知らせる目印といえます。
尿酸値が高いといわれたら、糖代謝、脂質代謝、血圧の異常が起こっていないか検査をし、早めに生活習慣の改善を行ないましょう。
高尿酸血症は、尿酸が多くなる原因によって、尿酸を体外へ排泄する能力が低下している「尿酸排泄低下型」、体内で尿酸がたくさんつくられすぎている「尿酸生産過剰型」、この二つが重なっている「混合型」の3つのタイプに分けられます。
我慢のできない激しい痛みから始まります。痛みは足の親指の付け根の関節におこりやすく、他には足首の関節、アキレス腱、膝や肘の関節におこりやすいのです。人によっては発作の直前にピリピリしたり、ムズムズしたりする場合もあります。
通常、痛みは最初から激痛で始まり、一日以内に最大の痛みとなる特徴があります。この痛みはそのまま我慢して放置しても軽いもので2〜3日、ひどいものでも10日もすると自然に軽快します。多くの人はここで放置してしまっています。
しかし、高尿酸血症(痛風)は発作だけではなく、合併症にも要注意です。尿路で尿酸が結晶化すると尿酸結晶やカルシウム血症の原因となります。高尿酸血症の人は、生涯に尿路結石症にかかる頻度が通常の人の10倍以上といわれています。
痛風発作の症状がおさまっても、生活習慣病を予防する生活をするよう心がけることが大切です。
まず、患部を冷やして安静にします。できるだけ早く、内科もしくは整形外科を受診しましょう。
基本は生活習慣の改善になりますが、それでも尿酸値が十分に下がらない場合は薬物療法を加えます。
痛風発作を起こした人は、通常生活療法と薬物療法を並行して始めます。
このような薬を用い、治療します。