広報誌 健康倶楽部/2012年7月号

人間の生命の源アミノ酸の働き

アミノ酸入りの飲料や食品を目にしたことがあると思いますが、アミノ酸にはどのような働きがあるのでしょうか。

アミノ酸はたんぱく質の構成成分で、肉や魚、ご飯などの食品から体に取り入れています。普段、食品から摂取すると、たんぱく質は胃や小腸などの消化器宮でアミノ酸に分解されます。

アミノ酸は小腸から吸収され、肝臓へ運ばれ、肝臓から各臓器や筋肉などに運ばれます。アミノ酸のサプリメントやアミノ酸入りの飲料などでは、たんぱく質という形ではなく、アミノ酸の形で含まれているため吸収しやすくなっています。

体をつくっている20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できない9種類のアミノ酸があり、必ず食物などから摂取しなければならないため「必須アミノ酸」と呼ばれています。

  1. 運動をすると筋肉中に乳酸(疲労物質)がたまりやすくなります。アミノ酸は傷んだ筋肉を修復し、乳酸の生成を抑えて疲れにくくする働きがあります。よく運動する人は、肉類や乳製品を摂取しエネルギー源となる糖分、疲労回復に効果があるクエン酸を一緒にとると疲れがとれやすくなります。
  2. アミノ酸は細胞の分裂に重要な働きをする物質の生成を支えていて、細菌やウイルスから体を守る免疫の働きにかかわっています。良質のたんぱく質とビタミンが豊富な野菜、免疫カを高めるきのこ類などバランスよく摂取しましょう。
  3. アミノ酸は、基礎代謝を高めてくれます。血液の循環をよくして脂肪を燃焼しやすくする働きがあります。脂肪を燃焼するには運動する30分前にアミノ酸入りの飲料やサプリメントをとると効果的です。
  4. 若々しい弾力のある肌や髪の毛、爪などの成分もアミノ酸がかかわっています。表皮の内側にあるコラーゲンの原料になるのもアミノ酸です。若々しさを保つには、かかせないのがアミノ酸です。

成人で一日のたんぱく質の所要量は約50g。アミノ酸をサプリメントなどでとる場合は2〜5gくらいが目安です。食品のたんぱく質が優れているかを判定するもののひとつに「アミノ酸スコア」というものがあります。体の要求に合う理想的な必須アミノ酸の量と組み合わせを想定して特定の食品に含まれる必須アミノ酸の構成と比較して栄養価を判定する方法です。

数値が100に近いほど良質のたんぱく質といえるでしょう。アミノ酸スコアが100を示している食品は、牛乳、全卵、鶏肉(胸)、豚肉(ロース)、牛肉(サーロイン)、サケ、アジ、イワシ、大豆などです。

 

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