広報誌 健康倶楽部/2012年8月号

節電の夏 熱中症にご用心

熱中症は、気温が高いことなどで、体温が上昇し、身体の中の水分や塩分のバランスが崩れたり、体の調節機能が正常に働かなくなることで引き起こされます。

気温が高いことで熱中症は引き起こされますが、気温が低くても、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、熱中症の危険が高くなります。気温が低めでも、湿度が80%以上ある日は要注意です。

特に高齢者は、体温機能が低下しているために、熱が体の中にこもりやすくなります。体の中の水分量も若い人と比べ低いため、脱水症状に陥りやすくなっています。また、暑さやのどの渇きを感じにくくなっているので充分な水分補給ができていなかったり、夜中にトイレに起きるのが嫌で水分を控えたりして脱水症状を起こすことも。

熱中症の症状は、どんな症状ですか?

熱中症の重症度を「具体的な治療の必要性」の観点から分類した表があります。T度(現場での応急処置で対応できる軽症)、U度(病院へ搬送を必要とする中等症)、V度(入院して集中治療の必要性のある重症)に分類されます

分類

症状

T度

(軽度)

めまい・失神

(筋肉の「こむら返り」のことで、その部分の痛みを伴う。発汗に伴う塩分(ナトリウム等)の欠乏により生じる。“熱けいれん”と呼ぶこともある。全身のけいれんはこの段階ではみられない。)

筋肉痛・

筋肉の硬直

「たちくらみ」という状態で、脳への血流が瞬間的に不充分になっている。運動をやめた直後に起こることが多いとされ、脈が速くて弱くなり、顔面蒼白、呼吸回数の増加、唇の痺れなどもみられる。

U度

(中等度)

頭痛・吐き気・嘔吐・下痢・倦怠感・虚脱感・失神・気分の不快・判断力や集中力の低下、いくつかの症状が重なり合って起こる。

(体がぐったりする、力が入らないなどがあり、従来から“熱疲労”と言われていた状態。放置あるいは誤った判断を行えば重症化し、V度へ移行する危険性がある。)

V度

(重度)

意識障害・けいれん・手足の運動障害・おかしな言動や行動・過呼吸・ショック状態などが、U度の症状と重なり合って起こる。

(呼びかけや刺激への反応がおかしい、体にガクガクとひきつけがある、真直ぐ走れない・歩けないなど。)

高体温

(体に触ると熱いという感触がある。従来から“熱射病”や“重度の日射病”と言われていたものがこれに相当する。)

<子どもの熱中症対策>

子どもの熱中症対策は水分補給など、大人が注意してあげましょう。乳幼児から15歳くらいまでの子どもは、汗をかく能力が未熟であったり、運動時に血液が体表に熱を運ぶ能力が不十分であることなどから熱中症にかかりやすくなります。

小さな子供の場合は、自分の症状をうまく伝えられないので予防することがとても重要になります。早めの水分補給、帽子をかぶる日陰で遊ぶなど大人が注意してあげましょう。

熱中症の症状が出たら、体温を効率良く下げるために、首もと、脇、足の付け根を冷やします。水分を補給しますが、嘔吐などがあり、水分補給ができな場合などは、一刻も早く病院へ運ぶ必要があります。

子どもの熱中症の症状例

大量に汗をかく・顔が赤くなる・尿の量が少ない・唇が渇いている・元気がない・不機嫌 など

日ごろの予防・対策
脱水症状のサイン

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