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 呼吸器外科のご案内

診療科の紹介

 年間約70例の原発性肺癌に対する手術を含め、約120例の呼吸器外科手術を行っている。早期肺癌に対しては胸腔鏡を利用して低侵襲に努め、一方進行肺癌に対しては根治性を上げるために隣接臓器合併切除を含めた拡大手術を行っている。さらに縦隔リンパ節転移を有する場合は、胸骨正中切開アプローチによる系統的両側縦隔拡大郭清を行うこともある。また、陽子線、定位放射線、PET/CT、γナイフ、超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)、CTガイド下針生検など肺癌診療に必要なほぼすべての診断・治療を当院で行えることは患者さんにとってメリットと考える。

診療内容

原発性肺癌

 早期肺癌に対しては、健常肺を温存した胸腔鏡下肺部分切除術、あるいは胸腔鏡下肺葉切除術(3ヵ所の孔から手術を行う)を行っている。一方進行肺癌に対しては後側方開胸(肋骨は切離しない)で手術を行いリンパ節の郭清を重視し、根治性を最大限に上げている。術中出血量は約100ml、術後の在院期間は約1週間、最近5年間の手術関連死亡率は0.5%。約半数の症例を開胸器を用いないで胸腔鏡下に手術を行っている。術後最低5年間は再発の有無をチェックし、再発を認めた場合は集学的治療を駆使して治療に努めている。

転移性肺腫瘍

 胸腔鏡下に肺部分切除術を行うことを基本とする。根治性が得られる場合は複数回の手術も行う。

気胸

 再発した気胸の場合、あるいは初回であっても嚢胞を認める場合は手術の適応としている。胸腔鏡下に空気漏れの責任病変である肺嚢胞を切除する。呼吸機能が悪く手術が危険な難治性気胸の場合は胸膜癒着術、気管支充填術など症例に応じて工夫を凝らして治療に取り組んでいる。また妊娠可能年齢の女性に特有な月経随伴性気胸に対しては胸腔鏡下に横隔膜の病変を診断後、婦人科と連携しホルモン治療を行っている。

縦隔腫瘍

 胸腺腫を合併した重症筋無力症に対しては胸骨正中切開アプローチによる拡大胸腺摘出術を行っている。術前および術後は神経内科で症状のコントロールを行っている。その他の縦隔腫瘍(嚢胞,良性腫瘍)に対しては胸腔鏡を用いた低侵襲手術に努めている。

悪性胸膜中皮腫

 病期、年齢を考慮し胸膜肺全摘術、抗癌剤治療、放射線治療などを組み合わせた集学的治療を行う。

膿胸

 急性膿胸に対しては胸腔鏡下に剝皮術を行い、早期の退院を目指す。慢性膿胸に対しては筋肉充填術、胸郭形成術、大網充填術などを行って根治を目指す。


肺癌登録合同委員会 第7次事業:2010年肺癌手術症例の全国登録調査

研究の概要

 肺癌登録合同委員会は、日本肺癌学会、日本呼吸器学会、日本呼吸器外科学会、日本呼吸器内視鏡学会の4学会が合同で運営されており、大阪大学呼吸器外科が事務局を担当しております。
 肺癌登録合同委員会は、本年、第7次事業として2010年の原発性肺癌外科治療症例の後ろ向き登録を開始することになりました。登録症例の解析結果をもとに、最新の肺癌治療成績を把握し、今後の肺癌診療にいかしていく予定です。また当事業の症例データベースは世界肺癌学会の国際データベース事業とも共同して国際対癌連合(Union internationale contre le cancerあるいは The Union for International Cancer Control、略してUICC)によるTNM分類の改定にも貢献する予定です。
 2010年に当院で肺癌に対する外科治療を受けられた患者さんの診療情報を肺癌登録合同委員会7次事業に登録し、全国および国際共同研究に貢献する予定です。個人情報の管理は厳重にしておりますので、ご理解お願いします。ただし事業と研究への参加を拒否される場合はご連絡ください。拒否の申し出のある患者さんの診療情報の登録は致しません。
 ご協力よろしくお願いいたします。

 南東北病院 呼吸器外科  宮元秀昭

2010年肺癌手術症例に対する登録研究(研究計画)

1)対象となる方
 2010年1月1日から2010年12月31日のあいだに、原発性肺癌に対する治療目的で行った手術のうち以下を除くすべての患者さんが対象となります。
 除外基準
 ①リンパ節生検・胸膜生検などの臨床病期決定のための手術。
 ②経気管支鏡による腫瘍切除。
 ③ラジオ波やそのほかの技術による肺切除を伴わない局所療法。
 ④原発性気管癌に対する手術。

2)研究機関名
 全国の呼吸器外科専門医合同委員会認定修練施設が協力して本事業を実施します。

3)目的
 本研究は本邦における肺癌の統計および調査を行うことにより、肺癌に関する研究ならびに診療の進歩・普及を図ることを目的としています。

4)方法
 症例登録:
 対象患者が適格基準をすべて満たした症例を、インターネットを使用しオンラインにて登録を行います。連結可能匿名化を行うための対比表(施設内カルテIDと肺癌登録IDとの紐付け)の管理方法はUSBメモリーにて保持し、このUSBメモリーは鍵をかけた状態で各施設の責任の下に保存します。なお、このUSBメモリーは固有のシリアルキーにて暗号化され、他のUSBメモリーにコピーしたり、USBメモリーを所有している施設以外にデータが流出しても事務局から各施設に送付されたUSBメモリー本体がなければ復号化できない仕組です。
 解析:
 登録資料の解析担当者は匿名化した登録資料を用いて、手術成績をもとにさまざまな予後因子の解析を行います。その結果を学術論文として発表するとともに、肺癌病期分類改訂のための資料として使用します。
 登録業務の公開:
 本登録は、日本呼吸器外科学会、日本肺癌学会、日本呼吸器学会、日本呼吸器内視鏡学会のホームページで登録業務を公開します。

5)個人情報の扱い
 患者さんの氏名やカルテ番号等の個人を識別できる情報は登録しませんので個人情報が外部に漏洩することはありません。

6)参加を拒否する権利
 肺癌登録合同委員会第7次事業への登録を希望されない方は、主治医にお申し出ください。

7)研究代表者および事務局
 研究代表者
 吉野 一郎
 肺癌登録合同委員会 委員長
 千葉大学大学院医学研究院呼吸器病態外科学
 研究事務局
 奥村 明之進
 肺癌登録合同委員会 事務局長
 大阪大学大学院 医学系研究科 外科系臨床医学専攻
 外科学講座 呼吸器外科学 教授
 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2(L5)
 TEL:06-6879-3152
 FAX:06-6879-3164

8)相談窓口
 総合南東北病院 呼吸器外科   宮元秀昭,藤生浩一