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胆膵疾患に対する内視鏡治療

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内視鏡的逆行性胆管膵管造影

当科では胆膵疾患の診断と治療にも力を入れています。

平成20年にはERCP施行例は394件。その多くが診断ではなく治療に伴うものです。 ENBDは205例、ERBDは74例、EST131例、EPBDは18例、砕石治療59例に行っています。 診断目的でもほとんどの症例で膵液や胆汁の細胞診や培養検査、胆汁中のAMY濃度の測定などを施行し、質の高い検査を行えるよう工夫しております。胆管や膵管の生検は16例に行いました。 ERCPでは内視鏡的治療が難しい症例も少なくありません。

2005年4月-2008年3月の検討では胆管造影ができたのは653例中641例(98.2%)でした。選択的に胆管内へ挿管を試みた636例中600例(94.2%)に成功しました。 ERCPを施行する際には検査による膵炎が心配されるが、この間の臨床的膵炎は6例(0.9%)でした。そのうち5例は保存的に二日以内に改善しています。1例は総胆管結石治療後に膵炎を併発し、経動脈的に膵炎治療を行い、三日目には全快しました。

平成20年のERCP実績は胆管造影も選択てき胆管挿管も99%でした。膵炎は2例(0.5%)のみで、二日後に全快しました。 具体的な疾患でいいますと総胆管結石で3個ぐらいまででしたら、概ね一泊二日の予定で治療を行っています。

総胆管結石は手術では40-50日ぐらい治療を要しますので、難しい症例も内視鏡での治療ができるよう心がけています。 黄疸や胆道感染などの重篤な患者さんがいらした時は、すぐに採血、超音波検査、造影CT、MRI検査を施行の後、即入院後にERCPもしくはPTCDで治療を開始します。 PTCDは20例、PTGBDは6例、PTCSは2例でした。 症例にもよりますが、当科では内視鏡的な治療を優先して、経皮的観血治療は症例を選んで治療を行っています。

当院でのERCP検査は迅速で安全かつ確実を目標にしています。 我々スタッフの努力と病院の機動力をフルに発揮して診断や治療にあたっています。