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カニは国内だけでも800種ほどが生息していますが、主に流通するのはワタリガニ・ズワイガニ・毛ガニ・タラバガニ・ハナサキガニ・サワガニなどです。
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ズワイガニは北陸でエチゼンガニ、山陰でマツバガニとも呼びます。なお、タラバガニは脚とハサミあわせて4対(カニは5対)で正式にはヤドカリに属します。
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このように、多種類あるカニですが、どれも栄養価はほとんど変わらず、美味な食材なのに低エネルギー・低脂肪・低コレステロール≠ネのが特徴です。
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栄養成分としての働き
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カニはミネラルの亜鉛、銅、カルシウムを豊富に含んでいます。亜鉛は細胞の新生をうながすのに不可欠なミネラルで、傷の回復を早め味覚を正常に保つ働きがあります。銅は鉄の利用を助けてヘモグロビンの合成を促がし貧血を予防するほか、骨粗鬆症や血管壁がもろくなって起こる動脈硬化を防ぐ働きもします。カルシウムは歯や骨を形成し健康を維持するとともに、心臓の鼓動を保ち、筋肉の収縮をスムーズにします。ほかに大脳などの神経系の興奮を調整してストレスをやわらげます。殻ごと食べられるサワガニはカルシウム源として有効です。
カニ独特のうまみはグルタミン酸やグリシンなどのアミノ酸ですが、アミノ酸の一種のタウリンも多く含んでいます。タウリンは血圧やコレステロール値の低下、心臓機能を強化させる作用があります。
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調理のポイント
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カニの旬は冬から初春にかけてですが、ワタリガニのように夏のものもあります。カニを持ち上げ、脚をバタバタするようなら活きている証拠。茹でたものなら、重量感のある方が身が充実しています。
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(栄養管理科 濱尾 理沙)
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