健康ひとくちメモ

「トマト」

リコピンの抗酸化作用で老化を防ぎ、がん予防にも

  トマトは南米が原産で、日本に渡来したのは17世紀。赤ナスなどと呼ばれ、当時は主に観賞用として栽培されていました。食用となったのは明治以降で洋食化に伴いトマトケチャップの普及とともに広まったようです。西洋には「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほど、トマトは栄養に満ちすぐれた野菜です。
栄養分として
 トマトの赤い色はリコピンという色素成分で、赤色の濃いトマトほどリコピンが多く含まれています。リコピンには強力な抗酸化作用があり、老化を防ぐ作用や肌や皮膚を若々しく保つ美容作用、がん予防に効果があるなど、多くの働きが近年注目を集めています。またトマトには風邪の予防に効果的に働くビタミンC、脂肪代謝を円滑にするビタミンB6、血液中の塩分を排出して高血圧予防に効果的なカリウムなどの栄養素が含まれています。
調理のポイント
 夏が旬なトマトは(1)均一に色が付いている(2)へたのまわりに緑色が残っている(3)へたが濃い緑色で切り口が新鮮なもの(4)丸みがあってずっしりと重いもの、の4つが選ぶ際のポイントです。水につけて沈むものは糖度が高いといわれています。トマトには強い酸味があり、その酸味が料理の味を引き締めてくれます。トマトと脂肪分を一緒に摂るとリコピン吸収率が高まり、クエン酸が脂っこさを中和してさっぱりと仕上がるため、肉類の煮込み料理などにオススメです。
 生でも、火を通しても、手軽に調理できるトマトを使って彩りよい夏の食卓を作ってみてくださいね。
(参考:「食の医学館」「からだによく効く食べ物事典」「J-Medical」栄養管理科 濱尾理沙)
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