健康ひとくちメモ

れんこん(蓮根)

ビタミンC豊富、ムチンも

 おせちなど祝い料理に欠かせないれんこん(蓮根)は、穴があいていて「見通しがきく」というところから縁起物と考えられて使われています。れんこんは蓮田(泥沼のような田)で栽培され、夏の朝に白や薄紅色の大きなハスの花を咲かせます。晩秋から冬にかけて、その蓮田の底の泥の中から太った地下茎を掘り出して収穫しますので、ピークは11月から3月にかけてです。
 れんこんはビタミンCが豊富でミカン(100g中35r)の1.4倍の100g中48r(生で)も含まれています。ビタミンCは熱に弱い水溶性ビタミンですが、れんこんにはデンプンが多いため加熱しても分解されにくい特徴があります。ビタミンCは疲労回復に効果があり、細胞同士を繋げるコラーゲンを生成して血管や粘膜を丈夫にして肌に張りを与えたり、カゼを引きにくくします。食物繊維も豊富なので、腸の働きを活発にして便秘の解消やコレステロールを下げて血圧を正常にし、動脈硬化や高血圧予防にも効果があります。ぬるぬるしたねばりはオクラや納豆と同じムチンによるもので胃壁を保護し過飲過食時の胃腸の負担を和らげ、滋養強壮に効果的です。
 調理のポイントは、れんこんは灰汁(あく)の強い野菜なので切り口が空気に触れると黒く変色します。皮をむいたら、すばやく水につけましょう。白く仕上げるには酢水にさらすときれいに仕上がります。保存する際も切り口が空気に触れないようラップでぴっちり包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存しましょう。冷たい蓮田から掘り起こされた栄養たっぷりのれんこんを使って、はさみ揚げ、きんぴら、煮物、ソテー、さらには歯ごたえが楽しめるハンバーグやサラダにもぜひ使ってみてください。
(参考:「おいしいねっと」 栄養管理科 濱尾理沙)
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