健康ひとくちメモ
さんま

その魅力は脂にあり

●栄養成分としての働き
 さんまの魅力は脂にあります。この脂にはEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)がたくさん含まれています。EPAは体内では作られない脂肪酸ですので、食材から摂らなくてはなりません。EPAには血小板の凝集を抑制し、血栓を溶解させる作用があります。また血管を拡張させ、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やし、血液中の中性脂肪を減らす効果もあります。そのため脳卒中や高血圧、動脈硬化、心筋梗塞を予防し、高脂血症を改善させるともいわれています。DHAも悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やし、血小板の凝集を抑制するので生活習慣病を予防します。さらにDHAは脳細胞を活性化させるともいわれています。

●調理のポイント
 さんまは「秋刀魚」と書くように、刀のようにすらっとした姿をしていて、目がきれいで、身がかたく張りがあり、背色が青々冴えていて、尾まで太っているものが新鮮です。特に口先と尾が黄色くなっているものは脂ののりがよい「大漁サンマ」の印。見つけたら食べない手はありません。
 さんまの一番ポピュラーな調理法といえば塩焼き。脂の中に薬効成分がたっぷり含まれていますから、焼く程度で落としてしまうのはもったいない話です。塩焼きにする時は、遠火の強火で手早く焼きましょう。この方法ならあまり脂を失いません。また、脂を失いたくなければ、てんぷらにして閉じこめてしまいましょう。付け合せには大根おろしと、すだちなどの柑橘類を添えます。大根には魚の焦げで心配される発がん物質を抑える働きがあり、柑橘類にもビタミンCの力によって発がん物質を抑える働きもあるためです。

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