健康ひとくちメモ
ごぼう
●栄養成分としての働き
 主な成分は炭水化物で、その大部分は消化吸収されないイヌリン、ヘミセルロースなどの食物繊維です。これがごぼう特有の歯ごたえや風味を作り出しています。イヌリンは腎機能を高め、利尿効果があるともいわれています。最近注目されている成分は「木質素」とも呼ばれるリグニン。がん予防や胆汁酸を吸着し、排泄させる作用があります。これは消化吸収されずに便の量を増やして腸の蠕動運動を活発にするので、便秘を防ぐ働きもあります。また、腸内の有用細菌の繁殖を助け、有害物質を吸着して排泄する働きもあるので、大腸がんの予防に役立つといわれています。
 便秘改善に効力を発揮する理由は他にもあります。ごぼうは水溶性と不溶性の両タイプの食物繊維が多く、便の量を増やし、乳酸菌の活性を活発にして便秘を改善するのです。水溶性食物繊維には悪玉コレステロールを排出する働きや、血糖が急激に上昇するのを防ぐ働きもあるので、動脈硬化や糖尿病予防などにも効果が期待できます。また悪性細菌を増殖せず、逆に有用細菌を増やす働きもあり、ビタミン合成を活発にする効果もあります。

●調理のポイント
 ごぼうは晩秋から初冬のものがもっともおいしい時期です。2pくらいの太さでスッと伸びたもの、ひげ根が少ないものを選びましょう。リグニンは切り口に発生する性質があり、時間が経つほど増えます。切り口の表面が多くなる「ささがき」をした調理がおすすめです。ごぼうにはアントシアニン系色素が多く、アクが多いので、切ったら水にさらすことが必要です。また、皮と身の間にうまみ、香り、薬用成分があるので、むかずにタワシでこする程度にしましょう。

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