ワンポイントリハビリ

「歩く」習慣をつけよう

筋力アップや認知症予防にも

 今の季節、寒い日が続き、なかなか体を動かす機会が少なかったのではないでしょうか。長期臥床が原因で、起立性低血圧、心肺機能低下、筋力低下、骨萎縮などの機能障害が起こるといわれています。筋力低下では上肢よりも下肢(特に歩行に必要な大腿四頭筋、腓腹筋)が低下しやすく、筋収縮を行わない状態でいると一週間で10〜15%の筋力が低下してしまうそうです。
 ウォーキングというと一般的には「踵から接地して親指で地面を蹴りだすように足を動かす」「歩幅は大きく、背筋を伸ばして腕を大きくリズミカルに振る」「速さは息が弾む程度の速足」といわれますが、その時々の自分の体の状態に合わせて歩幅が小さくても、ゆっくりであってもよいのです。もし足腰に痛みがある場合には杖を使ったり、サポーターをつけたりして、我慢するのではなく気持ちよく歩けるように工夫してみましょう。まずは歩くことを続けることが大切です。
 「歩く」ことは、いつでもどこでも簡単に行えるので、時間をつくれなくても、普段の生活の中で意識するだけでも違うと思います。歩くことは、下肢の筋力や持久力の向上、降圧作用、認知症の予防など色々な効果が得られますので、習慣化して「健康寿命」をのばしていきましょう。
健康寿命とは
 身体機能面・精神面の両面の障害のない生活期間
(NHK「きょうの健康」11月号より リハビリテーション科 仁平 淑子)
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