ワンポイント・リハビリ
高齢者に必要な「生活筋力」とは
軽い運動を続けると効果的
 筋力トレーニングと言うとボディビルによる「筋肉マン」「筋骨隆々」というイメージがありますが、高齢者に大切なのは日常生活を疲れることなく、無理せず、難なくこなせるだけの筋力を付けるためのトレーニングです。例えば階段の昇り降り、立ち座り、フトンの上げ下ろし、ドアの開け閉め、などの動作に必要な筋力、つまり「生活筋力」が衰えてくると生活の活動範囲が狭くなってフトンを敷きっぱなしにしたり掃除をこまめにしなくなり、1日の消費エネルギーが減ってきます。また、ウォーキングなどの運動も長時間できなくなり、健康を維持するために必要な運動量が得られなくなります。
 足や腹筋、背筋の筋力が低下すれば膝や股関節、腰などの痛みが起きたり、既に傷めている人はさらに悪化することになります。さらに歩行中にバランスが崩れた時に踏ん張ったり、身体を立て直すこともできずに転倒する、という危険性もあります。
 「生活筋力」を鍛えていくにはバーベルなどの重い負荷は必要ありません。15〜20回ぐらい繰り返すことができる軽い負荷でも、定期的に続けることで効果が出てきます。ただ、筋力トレーニングは血圧が上がりやすく、方法を誤ると関節や筋肉を傷めることになるので、十分に注意しながら行いましょう。

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