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「この薬は水で飲まなければだめですか?」と聞かれることがあります。薬と飲み物には飲み合わせの悪いものがあるので、薬は水か湯冷ましで服用して下さい。しかし、もし牛乳で薬を服用したとしたらどうなると思いますか。そこで、今回は「薬と牛乳」の飲み合わせについて、代表的な例を取り上げてみました。
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1:抗生物質
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(テトラサイクリン系とニューキノロン系)=牛乳中のカルシウムによって、吸収が阻害されることが知られています。ただし、薬によってあまり影響がないものもあるので、少なくとも薬を服用した後、2時間以上あければ牛乳の影響はありません。
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2:制酸剤
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(酸化マグネシウム)=大量の牛乳と一緒に飲むと高カルシウム血症が起こり、吐き気や食欲不振などを起こすことがあります。
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3:腸溶性製剤
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(市販の下剤など)=薬が腸に届く前に胃で溶けてしまうため、胃を荒らしたり、薬の効果が十分に発揮されなかったりする場合があります。
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4:鉄剤
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飲用した牛乳の量に依存した吸収低下する場合があります。
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ここまでは牛乳と組み合わせが悪い薬剤を紹介してきました。しかし、消炎鎮痛剤など、胃を荒らしやすい薬を飲む場合に胃を守るために、牛乳などで服用することがすすめられることもあります。薬と牛乳の飲み合わせが心配な場合には、薬を牛乳で服用しないことはもちろん、牛乳と薬を飲む時間を2時間以上あけるとよいでしょう。次回は「薬とお酒」の組み合わせについて述べたいと思います。
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(参考文献:「治療薬マニュアル」 薬剤科 佐久間眸)
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