薬局だより

坐薬の使い方

直腸から薬を吸収させる 〜冷所に保管、室温に戻し使用〜

坐薬とは
 坐薬という言葉から、「座って飲む薬だと思った」という方がおりますが、坐薬は肛門や膣に入れる薬です。肛門のすぐ上に位置する直腸から薬を吸収させるため即効性があります。吐き気止めや解熱鎮痛などの目的に使用されるほか、痔などの局所・鎮痛にも使われます。
坐薬の正しい使い方
 @坐薬を包装から取出し、ティッシュペーパーなどで坐薬の底をつまみます。先のとがっているほうを肛門に挿入しますA中腰でお腹に力を入れないようにし、肛門内で出来るだけ深く入れ、そのまま立ち上がると簡単に挿入できますB坐薬が入りにくい場合は、薬の先端を少量の水で濡らすか、あるいは薬が少し溶け始めるまで肛門に押し当てておくと入りやすくなります。また小児の場合は、おむつを代える時の形で入れ、しばらくそのまま抑えておいて下さい。
 冷たい状態で肛門に挿入すると刺激・異物感で便意を感じることがあるので、室温に戻して(冷蔵庫から出して10分後くらい)から使うことをお勧めします。
坐薬の保管
 坐薬は体温で溶けるように調製されています。そのため30度以上になると変形したりするので、なるべく冷蔵庫などの冷所に保管してください。一度溶けて固まったものは変形したり有効成分が偏ったりするので注意が必要です。
坐薬を入れた後に排便してしまった時
 坐薬をいれた直後に排便した場合、一緒に坐薬も出てしまうので、もう一度使用してください。挿入して10〜15分以降に排出した場合は、薬がどのくらい吸収されたのかわからないので、経過をよく見て次の使用まで4時間以上の間隔をおく必要があります。
(参考「薬の使い方Q&A」薬剤科 佐久間眸)
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