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昨年は新型インフルエンザが世界的に大流行しタミフルなどの治療薬が一般的に多く使われました。一方、タミフルに対して耐性のあるウイルスが出現し今後の治療に対する不安も明らかになりました。そこでインフルエンザ治療薬事情をまとめました。
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@一般的なインフルエンザ治療薬
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「タミフル(ロシェ)」1日2回、5日間服用☆特徴は経口薬で服薬しやすい★欠点は発症後48時間以内に服用しないと効果がない・10歳代の患者さんには異常行動などの報告があり原則服用出来ない。「リレンザ(グラクソスミスクライン)」吸入型で1日2回、5日間の服用☆特徴はタミフルを使えない10歳代患者さんに使用・耐性の報告が無い★欠点は吸入薬で扱いにくい
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A2010年1月に発売になった新薬
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「ラピアクタ(塩野義製薬)」点滴静注で15分かけて使用☆特徴は発症後48時間以降でも効果・点滴製剤のため体力が弱った患者さんにも投与しやすい★欠点は点滴製剤のため時間の制約がある
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B現在開発中で発売が期待されている新薬
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「CS|8958(第一三共)」吸入製剤で1回のみの吸入で治療可能、メカニズムはタミフルと同様。「T|705(富山化学)」内服製剤☆特徴は増殖したウイルス自体に攻撃する効果があり、服用が遅くなっても効果が出る・鳥インフルエンザウイルスに対する有効性が世界で唯一判明している薬。
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これまでは2種類の海外製治療薬しかなかったが、今後は国産の治療薬も登場して用途も広がるため、近い将来、患者個人により適した治療薬の選択が可能になります。
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(参考 薬剤科 佐久間眸)
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