薬局だより

『口腔内崩壊錠』について

口中で溶けるので服薬の負担を軽減

 口腔内崩壊錠(こうくうないほうかいじょう)とは、口の中でラムネ菓子のように溶けて、水なしで飲める錠剤のことです。10年ほど前から医療用医薬品として販売され始めました。薬品名の末尾にODやDなどの表記があるものが主に該当します。
 この薬は唾液や少量の水で速やかに崩壊するので、小児や高齢者、嚥下(えんげ)能力(食べ物や薬を飲み込む力)が低下した患者さんでも飲みやすくなっているのが特徴です。口腔内崩壊錠は、お薬の飲み込みに関する問題を解決するだけでなく、透析の方や心臓や肺のむくみで水分の摂取制限をされている方、夜中のトイレが心配で寝る前に水を飲みたくない方、水を飲むことさえ気持ちが悪い状態の方、お薬を飲むのに介助が必要な方など、いろいろな方の服薬の負担を軽減する可能性がある剤形です。もちろん水で飲むこともできます。
 一方、普通の錠剤に比べて壊れやすい、吸湿しやすい、味が悪いなどの欠点もあり、一包化には不適な製剤もあります。また、服薬時に水を必要とする普通の錠剤と一緒に服用すると口腔内崩壊錠の利点が発揮できない場合があります。現在は口腔内崩壊錠だけでなく、フィルム状の薬や粉薬、1日1回の服用で効果を発揮する薬等、多種多様な薬が開発されています。ご自分の生活スタイルや性格、環境などを考慮し、医師や薬剤師と相談しながら薬の種類を決めていきましょう。
(参考 薬剤科 佐久間眸)
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