薬局だより
輸液
栄養や水・電解質を補給する薬品
 輸液とは、栄養や水分などを点滴することによって補充することをいいます。輸液は
@下痢・嘔吐などによって、体の中から水分やナトリウム・カリウムなどの電解質が失われた(脱水)状態の時
A何らかの理由で口から食事や水分が摂れない時
B手術などで体液が失われた時
C急激な出血などで血液量が不十分になっている時
などに行います。輸液は大きく「電解質輸液」と「栄養輸液」に分けられます。
☆電解質輸液
 電解質の是正・維持には「生理食塩液」、生理食塩液にカリウムとカルシウムを加えた「リンゲル液」、リンゲル液に乳酸を加えた「乳酸リンゲル液」などがあります。このほか、とりあえず水分・電解質を補給する「開始液(1号液)」、脱水症状時に使う「脱水補給液(2号液)」、水分や電解質の異常が是正された後に使う、通常の状態で必要とされる電解質をバランスよく含む「維持液(3号液)」、手術直後に使う「術後回復液(4号液)」など、目的に応じた輸液もあります。
☆栄養輸液
 栄養補給のためにはブドウ糖・アミノ酸・脂肪(ダイズ油)などが用いられます。長期にわたって十分な栄養を与える時には、腕や足の末梢の静脈ではなく鎖骨の下の静脈から1日に必要なカロリーを含む輸液を注入する中心静脈栄養(TPN)という方法を行います。維持液に加えて、高濃度のブドウ糖やアミノ酸、ビタミンなどを含む「高カロリー輸液」が用いられます。

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