薬局だより
急性冠疾患症候群のくすり
◆急性冠疾患症候群の基礎知識◆
 急性冠疾患症候群は心臓の栄養血管である冠動脈の壁の内側に動脈硬化の原因であるLDLコレステロールなどを含んだ脂質の塊「プラーク」が出来て狭くなり、さらに血の塊(血栓)が生じることで血液の流れが非常に悪くなり、血管が詰まって起こるといわれます。従来の急性心筋梗塞、不安定狭心症、心臓突然死と原因が同じなので、治療法も共通部分が多くあります。
 
〜発作を解消、長く予防〜
  
◆薬物治療と、服用上の注意点◆
 薬物療法には大きく分けて2つの目的があり、それぞれに合わせた薬が使用されます。

1、狭心症発作を解消し生活の質を改善する薬
 (1)硝酸薬(ニトロ):血管を拡張させて狭心症の発作を改善します。
 (2)β遮断薬:心拍数を減らして心臓の酵素消費量を減らします。
 (3)カルシウム拮抗薬:冠動脈を拡張して痙攣を伴う狭心症を改善します。

2、心筋梗塞への移行を抑制して長期予防や再発防止に役立つ薬
 (1)抗血小板薬(アスピリン):血液を固まりにくくします。鼻血や傷口などからの出血も止まりにくくなることがあるので、長く止まらないようなら主治医に相談して下さい。
 (2)高脂血症薬:肝臓でコレステロールの合成を抑制することで血中のLDLコレステロールを下げます。狭心症や心筋梗塞の再発を防ぐといわれます。
 (3)ACE阻害薬、アンジオテンシンU受容体拮抗薬:血圧を下げる作用に加え、心臓保護作用があるといわれます。  

 薬は長期間、服用しなければならないので安全性の高い薬が選択されます。不安や疑問があれば医師や薬剤師と相談を。
  
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