肺炎の症状はかぜの症状と似ていますが、基本的には、症状が長引く、かぜの症状よりも重い、などの違いがあります。
しかしお年寄りの場合、症状がでにくく、周囲の人も気がつかずに過ごしてしまい、重篤な状態になってから医師の診察を受けるケースも少なくありません。
お年寄りは抵抗力が弱いため、肺炎にかかりやすいですから、表2のような症状がある場合には、すぐにかかりつけ医を受診してください。このとき、身近な人も付き添って、症状などを医師に伝えるとよいでしょう。
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肺炎の予防 |
肺炎の原因となる細菌のひとつであり、市中感染の原因として多い肺炎球菌には予防ワクチンがあります。1度接種すると5年以上は効果があるといわれています。費用は自己負担ですが、お年寄りのみならず、表3の項目に当てはまる方は、接種しておいたほうがいいでしょう。
また、肺炎の感染理由のひとつとして、飛沫感染や接触感染があげられます。帰宅時には手洗い、うがいをし、外出するときには気密性の高いマスクを着用するなど、予防を欠かさないようにしましょう。かぜやインフルエンザから肺炎を患ってしまうことも多くありますので、かぜ予防を徹底したり、インフルエンザの予防接種を受けることも大切です。
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〈コラム〉誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん) |
気管に食物や唾液などの異物が残ってしまうと、それに潜んでいる細菌が肺炎の原因となります。これを「誤嚥性肺炎」といい、お年寄りに多く見られます。
誤嚥性肺炎を防ぐために、以下のような点に注意しましょう。 |
1、 |
食事のときは、なるべく身体(上体)を起こし、安定させる |
2、 |
口のなかを清潔にする。とくに食後と寝る前の歯磨きは忘れずに行なう |
3、 |
寝ているときも唾液を誤嚥しやすいので、上体がやや斜めになるよう寝具に角度をつける(15度程度・図参照) |
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