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 身体を動かすことは、体力の維持や向上に繋がります。また、肥満を解消したり、生活習慣病を予防する効果も期待できます。しかし一方で、けがや、蓄積疲労による疲労骨折などのスポーツ障害を引き起こす危険性もあります。
 運動を健康的に行なうためには、どうしたらいいのでしょう。

スポーツ障害とは
 ひと口にスポーツ障害といっても、打撲やねんざ、骨折などの運動中のけがから、疲労などによる関節の変形、疲労骨折まで、幅広く意味します。ですから、前者を急性のスポーツ障害、後者を慢性のスポーツ障害として区別しています。今回は、慢性のスポーツ障害についてご説明します。 慢性のスポーツ障害は、使い過ぎ症候群ともいわれ、運動により疲れた身体の組繊が充分に癒されずに起こるケースと、同じ部位を使い続けたために起こるケースがあります。 原因としては、身体能力の限界を超えた運動や、過密トレーニングスケジュール、同じ部位の使い過ぎ、休養・睡眠不足、栄養の不足などがあげられます。
 
 
スポーツ障害を防ぐ
 慢性のスポーツ障害を防ぐために一番大切なことは、運動を始める前に、自分の体力や運動能力などを知ることです。自分の状態を知れば、身体を必要以上に酷使することはなくなります。とくに中高年の方は、若い頃に比べて体力や身体能力が低下していますから、スポーツを始める前に医師に相談し、どの程度の運動が自分に適しているかアドバイスしてもらいましょう。
 また、運動前のウォーミングアップ(準備運動)と、運動後のクーリングダウン(整理体操)は非常に重要です(図参照)。とくにクーリングダウンは、筋肉や靭帯などに疲れを残しにくくしますから、必らず行なってください。また、ウォーミングアップは急性のスポーツ障害を予防します。
 休養や睡眠、栄養摂取も、スポーツ障害を予防するうえで欠かせません。運動後はしっかりと休養や睡眠をとって疲れを癒し、日頃から栄養バランスのとれた食事を心がけることで身体を丈夫にすることが大切なのです。
 このほか、自分に合った道貝を選んだり、同じ動作を続けないために、さまざまなスポーツに取り組むことも、予防に繋がります。
 
 
スポーツ障害の症状
 では、慢性のスポーツ障害になると、どのような症状がでるのでしょう。
 軽度の段階では、運動中に鈍い痛みがある程度です。また、体力の低下を感じる人もいます。段階が進むと、運動をし終わった後にも、痛みが残ります。そして、さらに状態が悪くなると、安静にしているときでも、痛みを感じるようになり、場合によっては、激痛が走ることもあります。
 このような症状は、行なっている運動の種類によって現われやすい部位が異なります(表参照)。
 
   起こりやすいスポーツ障害   (表)
(種目別)
ジョギング 膝の関節痛
足の骨の疲労骨折
野球 肩、肘の関節痛
肋骨の疲労骨折
サッカー 膝の関節痛
膝や足の骨の疲労骨折
テニス 肘の関節痛
足指の痛み
バレーボール 肩や膝の関節痛
腕や足の骨の疲労骨折
バスケット
ボール
膝の関節痛
足の骨の疲労骨折
ゴルフ 肘、股の関節痛
肋骨の疲労骨折
水泳 肩の関節痛
耳、目の障害
この他、腰痛は多くの種目でみられます
 
スポーツ障害かな、と思ったら
 慢性のスポーツ障害の症状が現われたら、その部位を安静にしていることが最も大切です。また、組織が変形したり、骨が折れてしまっているなど、外科的な損傷がある場合も珍しくありません。痛みや違和感を感じたら、すぐに整形外科医を受診してください。
 ただし、スポーツ障害と診断されたからといって、まったく運動をしてはいけない訳ではありません。治療中も、ある程度は運動を続けていたほうが、スムーズにトレーニングを再開できますから、医師の指導にしたがって、傷めた部位を使わない運動をするとよいでしょう。
 なお、運動を再開するときは、再びスポーツ障害を起こさないよう、トレーニング・メニューを改めてください。また回復直後は、体力や身体能力が衰えています。焦らずに、徐々に身体を動かしていくようにしましょう。
 
 
<子どものスポーツ障害>
 慢性のスポーツ障害は大人だけではなく、子どもにも起こります。とくに成長期の子どもは、身体の組織が未発達ですから、大人よりも発症しやすくなります。
 親御さんや指導者は次のことを十分に注意しましょう。
・1日の練習量を決め、必要以上に無理をさせない。
・習い事などで運動をする日を決めたら、休養をする日もつくる。
 また、栄養のバランスのとれた食生活を心がける。
・日頃から子どもの様子をよく観察し、おかしいと思ったら、早めに医師に相談する。
・ひとつのスポーツにこだわらず、いろいろなスポーツを楽しませる。
 
 


−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2006年4月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載
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