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「アスベスト」

 
 アスベスト(石綿)は繊維状の鉱物で、加工しやすく、耐火性、耐熱性、防音性などに優れ、値段も安いことから、建材など幅広い分野で活用されてきました。しかし近年、アスベストの吸引による健康障害が問題となっています。
 これは、アスベストの形状と性質に原因があります。アスベストは非常に細いため、吸引すると肺にまで入り込んでしまいます。また、鉱物であるために分解されず、そのまま体内に留まってしまいます。このため、長期間に渡って肺の組織や胸膜などに物理的な刺激を与えてしまい、肺がんや悪性中皮腫などの深刻な健康障害をもたらす、と考えられているのです。
 政府は現在、アスベストの使用をほぼ禁止していますが、アスベストを使用した建材は、未だに多くの建物で見受けられます。自宅や勤務先の建物で、「もしや」と思われる資材が利用されている場合には、専門の機関や業者に相談してみましょう。また最近では自治体でも、アスベストに関する窓口を設置していますから、そちらに相談するのもよいでしょう。
  
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2006年5月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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