しっかり休もう 疲 労 回 復

実に日本人の約6割が、「現在、いくらかの疲労を感じている」といいます。その主たる原因は、ずばリストレス。あなたは大丈夫ですか?

疲労の原因は、ストレス
 日々の生活には、とかくストレスがつきものです。仕事のこと、家庭内の悩み、身体の不調…。そのようなストレスに負けないようにと、ついついがんばりすぎて、疲れをためこんではいませんか。
 なぜ、ストレスは疲労の原因となるのでしょうか。過度のストレスを受けると、私たちの身体を守っているNK(ナチュラルキラー)細胞の働きが弱くなります。そして免疫の機能に悪影響が及び、さらにホルモンバランスも崩れ始めて、強い疲労を感じるようになるのです。
 またストレスのほかにも、疲労の原因となるものがあります。感染症、糖尿病、肝臓の疾患、貧血、うつ病などの病気にかかると、疲労を感じることが知られています。
注意したい危険な疲労
 多少疲れを感じたとしても、たいてい休めば回復するものです。しかし、休んでも疲れがとれない人、疲労感が6か月以上続いている人は、慢性疲労の状態といえます。「休めば治る」という単純な疲れではありませんから、たかが疲労と侮ることはできません。何が疲労の原因になっているのかを知り、その原因を取り除く必要があります。
 さらに疲労が蓄積すると、働くことや、食事や買い物などの日常生活に支障がでることもあります。そのような場合は、早めに専門機関へ相談しましょう。何らかの病気が隠れている可能性もあります。
 いずれにしろ、少しでも疲れを感じたら、早めに回復を心がけることが大切です。あまりにも疲労が蓄積してしまうと、心身が辛いばかりか、回復もしにくくなってしまいます。
 疲労には、心の疲労と身体の疲労がありますが、両者は複雑にからみあっています。慢性的に疲労を感じている人には、下のような症状が現われます。実際にどのような症状が現われるかは、人によってさまざまです。
からだ
だるさ、頭痛、どうき、息切れ、めまい、睡眠障害、
目の痛み・かすれ、筋肉痛、関節痛、口の渇き、食欲不振、
発汗、手足のしびれ・冷えなど
こころ
思考力・集中力の低下、意欲の減退、無感動、イライラなど
慢性疲労症候群(CFS)とは
強度の疲労が長期(6か月以上)にわたって続いている状態で、日常生活に支障をきたす、休養してもなかなか回復しない病気。検査を受けても身体に異常がみつからず、心の病気も該当しない場合は、CFSが疑われる。
疲労回復 あの手この手
1.疲れに気づく… 2.休む…
 心身はとても疲れているのに、自分で自分の疲れを認識していないケースが、しばしばみられます。常に自分の心と身体の状態に留意して、疲労のサインがあれば早めに休養しましょう。  疲れたら休むのが一番。疲れは、心身からの「休みなさい」というサインです。また、いやなことはできるだけ忘れたり、明日の心配は明日にまわすなど、「心の休息」を意識してみましょう。
3.がんばらない… 4.生活リズムを整える…
 疲れ果ててしまうのは、決して「気力不足」ではなく、「がんばりすぎ」ているからです。不調を感じたら、走るのをやめて少し立ち止まってみましょう。  生活スタイルの乱れが、意外にも疲労の大きな原因となります。起床・就寝・食事の時間を決め、毎日のリズムを整えてみましょう。
 また、1日の生活をなるべく自然のリズム(太陽の動き)に合わせ、早寝早起きを心がけます。
5.食事のバランスを整える… 6.運動…
 朝食には、1日の活動リズムを整える役割があります。一方、夜遅くに飲食すると内臓に負担がかかりますし、翌朝の食事がとれなくなってしまいます。また、ビタミン・ミネラルの不足は疲労を招きますから、偏食は要注意です。  身体を動かすと気分転換となり、疲労を回復するのに効果があります。仕事とは別に自分のための時間をつくり、毎日ほんの15分、体操やストレッチ、散歩などをしてみてください。
7.安眠… 8.人と人との支え合い…
 なかなか寝つけない、早朝に目が覚めるなどの睡眠障害は、疲労の大敵です。
・生活リズムを整える
・朝は日の光を浴びる
・夜は照明を下げる
・寝る前にぬるめのお風呂に浸かる
などのエ夫をしてみてください。
 自分の気持を誰かに話すことで、ずいぶん楽になれるものです。一緒にいて落ち着く人、気持ちが通じ合う人…、豊かな人間関係は、大きな心の支えとなります。

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2007年3月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載
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