鳥インフルエンザを知る |
Q1 |
鳥インフルエンザとは、何ですか? |
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鳥が感染するインフルエンザで、人間と同様、インフルエンザウイルスによる感染症です。ちなみに、インフルエンザウイルスの特徴は@感染力が強く流行しやすいA変異しやすいB驚異的な速さで増殖する(1個のウイルスが1日で100万個に増殖)があげられます。 |
Q2 |
高病原性鳥インフル工ンザとは、なんですか? |
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簡単にいってしまえば、感染した鳥の死亡率が高い鳥インフルエンザのことです。H5N1型や、H7N7型とよばれる鳥インフルエンザは、 高病原性鳥インフルエンザです。 |
Q3 |
人間も鳥インフルエンザのウイルスに感染しますか? |
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通常、人は感染しません。ただ、大量にウイルスを吸引してしまうと、ごく稀に感染する場合もあります。近年、海外でH5N1型のウイルスに感染する人が発生しているのは、そのためです(表1参照)。 |
Q4 |
鶏肉や卵を食べたら感染しますか? |
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市販の鶏肉や鶏卵を食べて感染することはありません。 |
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(表1)
人間の高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)
感染確定症例数の多い国 (2月27日現在) |
国名 |
症例数 |
死亡例数 |
ベトナム |
93 |
42 |
インドネシア |
81 |
63 |
タイ |
25 |
17 |
中国 |
22 |
14 |
エジプト |
22 |
13 |
トルコ |
12 |
4 |
世界累計 |
275 |
167 |
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(注)症例数は、WHOに報告され、検査により感染したと確定された数
※参考資料:国立感染症研究所感染症情報センターHPより |
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鳥インフルエンザと新型インフルエンザ |
Q5 |
新型インフルエンザとは、何ですか? |
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インフルエンザウイルスは変異しやすいのですが、通常の変異では、あまり大きな変化はありません。しかし、数十年に1度、劇的に変異することがあります。これが新型インフルエンザウイルスです。 |
Q6 |
鳥インフル工ンザと新型インフル工ンザの関係は? |
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過去に発生した新型インフルエンザウイルスは、鳥インフルエンザウイルスだったものが、人から人へ感染するように変異したものです。 |
Q7 |
過去、流行した新型ウイルスはあるのですか? |
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20世紀には3回、猛威をふるった新型ウイルスが発生しています(表2参照)。 |
Q8 |
なぜ今、新型ウイルスが発生するといわれているのですか? |
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ウイルスは、人や鳥などの細胞に入り込み増殖します。このときに、変異を起こすことがあります。つまり、増殖回数が増え、変異したウイルスが多くなると、新型ウイルスが発生しやすくなるのです。
現在、世界の多くの地域で、家禽や野鳥がH5N1型ウイルスに感染していますが、これは、変異したウイルスを多く生みだしてしまうことに他なりません。このため、新型インフルエンザの発生が近いといわれています。また、人への感染が起こっていることも、新型ウイルス発生が懸念される理由のひとつです。 |
Q9 |
なぜ、新型ウイルスは多くの犠牲者をだしてしまうのですか? |
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新型ウイルスには、誰もが初感染なうえ、ワクチン(Q10参照)による免疫も作れません。つまり、体内に免疫がない状態で感染するため、高い確率で発症し、重篤化しやすく、致死率も高いのです。 |
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(表2)
過去の新型インフルエンザと
犠牲者数 |
スペインかぜ(1918年) |
犠牲者:2000〜5000万人 |
アジアかぜ(1957年) |
犠牲者:200万人以上 |
香港かぜ(1968年) |
犠牲者:100万人以上 |
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※犠牲者数は世界累計数(推定) |
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新型インフルエンザへの準備 |
Q10 |
新型インフル工ンザのワクチンや治療薬はあるのですか? |
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ワクチンは、確実に予防効果のあるものはできていません。ただ、いくつかの製薬会社では、順調に開発が進んでいるようです。また、既存のインフルエンザ治療薬、タミフルが、新型インフルエンザにも有効なのではないかと考えられています。 |
Q11 |
政府の対策は? |
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現在、政府は・治療薬であるタミフルの備蓄・ワクチンの開発に全力をあげています。 |
Q12 |
私たちがやるべきことはありますか? |
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まず、情報に耳を傾けること。「きっと新型ウイルスは発生しないだろう」と楽観的に考えるのはよくありませんが、極度に不安がり、デマに流されてしまうのも危険です。※厚生労働省や国立感染症研究所などから発信される確かな情報を入手するようにしましょう。
また、新型ウイルスが国内で発生した場合、極力外出を控えなければなりません。ですから、食料の備蓄や生活用品の備えなどをしておいた方がよいでしょう(表3参照)。
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(表3)
家庭で備えておきたいもの |
食料品・水 |
食料品は日持ちするもの。
また、感染時の脱水症状防止のため、スポーツ飲料の粉末もあるとよい。 |
常備薬・衛生用品 |
うがい薬や氷嚢、消毒液などは必需。また、持病があり医師から処方してもらっている薬剤は、
2週間程度の予備を確保しておく。 |
日用品 |
ライフラインが停止してしまう恐れもある。ガスコンロ、懐中電灯は用意しておく。
また、漂白剤やティッシュなども備えておく。 |
この他、家庭構成によって、おむつ、粉ミルク、ペット用品なども準備。 |
参考資料:「パンデミック・フルー」 (著:岡田晴恵 講談社 2006年10月) |
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新型ウイルスに感染し、発症すると、38度以上の高熱、筋肉や関節の痛み、全身倦怠、腹痛や下痢、鼻血や歯肉からの出血などの症状が現われると考えられます。
国内で新型ウイルスが確認されたあと、家族などでこういった症状が現われた人がいたら、すぐに保健所へ連絡して、指示を仰いでください。 |
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※国立感染症研究所感染症情報センター・高病原性鳥インフルエンザ
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html
厚生労働省・感染症情報
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou.html |
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