正月特集 おせち料理を知ろう!
お正月料理の定番、おせち。このおせち料理や、おせち料理に使われる食材には、無病息災や子孫繁栄などの「願い」が込められている品が多くあります。
そこで今年のお正月特集は、おせち料理の定番メニューや欠かせない食材に隠された「願い」と、含まれる栄養素をご紹介します。
@黒豆・ちょろぎ
黒々と日焼けするほど「まめ」に働けるよう健康でいられますように、という願いが込められている黒豆。大豆の一種なので、たんぱく質やビタミン類など栄養素は非常に豊富。また、大豆にはない栄養素で、目によいとされているアントシアニンも含まれています。なお、黒豆には欠かせないちょろぎは、シソ科の植物の地下茎。漢字で「長老喜」や「千代呂木」と書き、縁起のよい食べ物です。
A田作り
別名、ごまめ(五万米)。五穀豊穣を願っています。田作りは片口いわしの稚魚なので、カルシウムや良質なたんぱく質のほか、動脈硬化の予防効果などが期待できるドコサヘキサエン酸(DHA)を多く含んでいます。
B数の子
子孫繁栄や子宝の願いが込められている数の子。にしんの卵で、ビタミンB12、D、ドコサヘキサエン酸が豊富です。
C紅白かまぼこ
縁起物として欠かせない紅白のかまぼこ。グチやハモ、スケトウダラなどを原料にしていますから、カルシウムや良質なたんぱく質が多く含まれており、しかも低カロリーです。
D錦たまごE伊達巻
卵の黄身と白身を金糸銀糸に見立てた錦たまご。錦は財宝に通じるとされ、縁起がよいものです。卵はたんぱく質やビタミン類、鉄分、カルシウムなど、多くの栄養素を含んでいます。また、学問や文化の繁栄を願う伊達巻は、白身魚や海老のすり身、卵などが多く使われていますから、栄養満点です。
F栗きんとん
きんとん(金団)は財宝や裕福な生活を意味します。栗やさつまいもを使用している栗きんとんは、食物繊維やビタミンCが豊富。
G海老
腰が曲がるまで歳をとっても丈夫でいられますように、という健康長寿の願いが込められています。ミネラルのひとつである亜鉛が多く含まれています。
H紅白なます
おめでたい紅白をにんじんと大根で表現した紅白なます。にんじんにはβカロチンが、大根には消化を助けるジアスターゼが豊富です。
I焼き魚
おめでたい席には欠かせない鯛や、出世魚の代表である鰤のほか、鰆や鮭を使うことが多いようです。栄養素は魚の種類によって違いますが、鯛ならば、たんぱく質やビタミンB1が含まれています。
Jごぼう
食物繊維を多く含むごぼうは、地に根を張ることから、家の土台がしっかりとして繁栄する、という意味があります。なお、関西地方ではごぼうを使った「たたきごぼう」が定番メニューのひとつです。
Kれんこん
将来の見通しがきく、という意味を持つれんこん。おせち料理に欠かせない食材のひとつです。ビタミンCや食物繊維を多く含むほか、疲労回復効果や抗ウイルス効果などが期待できるムチンも豊富です。
L里芋(八つ頭)
根気や粘り強さを現わす里芋。この里芋の親芋に子芋がついた八つ頭も、出世を願った縁起物です。里芋にもムチンが多く含まれています。
Mくわい
くわいは上部から芽がでているので「めでたい」とされています。ビタミンB1を含んでいます。
N昆布
古くから「養老昆布(よろこぶ)」といわれ、おめでたい席には欠かせない昆布。ビタミン、ミネラルが非常に豊富です。
(食餌指導を受けてる方は、食べても問題ないか医師に相談してから食べましょう)
飾り切りを楽しもう!
 普通の食材もひと手間かけて飾り切りをすると、縁起がかつげますし、見た目にも彩りが鮮やか。新年らしい食卓を演出してくれます(図参照)。
 ただ、飾り切りをすると食材の切れ端が残ってしまいます。それらを捨てるのはもったいないですね。
 そこで、それらの残った食材を、豚汁などの汁物の具として活用してみてはいかがでしょう。身体の芯から温まりますし、栄養も満点です。
 この他、菊花かぶ、梅にんじん、結び三つ葉などがあります。また、紅白かまぼこにも様々な種類の飾り切りがあります。
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2008年1月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載
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