みなさんは、今月から始まる「特定健康診査(特定健診)」と
「特定保健指導」をご存じですか?
最近耳にするけれど、よくわからない……」そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「こんにちわ」では、4月号と5月号で「特定健康診査と特定保健
指導」を特集します。 |
|
医師「おやAさん、今日はご夫婦でどうしたんですか?」
A氏 「ええ、実は今月から特定健康診査(以下・特定健診)と特定 保健指導という制度が始まると聞いたんですが、よくわからなくて。 先生に聞いてみようということになったんです」
医師「なるほど」
A氏妻「私たちにも関係があるんですよね?」
医師「もちろん。40〜74歳の被保険者(被扶養者含む)が対象となるんですよ。それから、健診の実施主体と対象者も変わります」
A氏「どういうことですか?」
医師「今までAさんは年に一度、会社などの健康保険組合が行なっている健診を受け、奥さんは自治体が行なう健診を受けていたと思います。これからは、健診の実施者が医療保険者に一元化されるため、被扶養者である奥さんも、Aさんが加入している健康保険組合の特定健診や特定保健指導を受けることになるんですよ」
A氏妻「へえ、そうなんですか」 |
|
|
|
■基本健康診査老人保健事業 ←これまで自治体が実施
■特定健康診査 ←平成20年4月より医療保険者が実施 (表) |
|
<記号について>
※…メタボリックシンドロームの判定項目
○…必須項目
◇…医師の判断に基づき選択的に実施する項目
◆…いずれかの項目の実施でも可 |
|
|
特定健診で行なわれること |
医師「これまでの健診や保健指導というのは、主に生活習慣病の早期発見・早期治療を目的に行なわれてきました。しかし、現実には糖尿病など、生活習慣病の患者さんやその予備軍は増える傾向にあり、健診結果が充分に活かされていないという問題がありました。そこで、これから始まる特定健診や特定保健指導では、病気の早期発見はもちろんのこと、病気になる前の段階、つまり生活習慣病につながる恐れのある危険因子が認められる人に対して、予防のための保健指導に力を入れていくことになったのです。治療を勧められる場合もありますが、特定保健指導を受けて日頃の生活習慣を改めるだけですむ人も多くなるでしょう」
A氏「検査の内容は、これまでとは違うのですか?」
医師「今度からは、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)やその予備軍に該当する人を見つけることに主眼が置かれるので、腹囲など新しく加わった項目や、削除された項目が一部あります(表参照)」
A氏「ふ、腹囲……」
A氏妻「先程おっしゃっていた病気の前段階というのが、メタボリックシンドロームなのですか?」
医師 「そうです。詳しくは下の(メタボリックシンドロームって何)を見てくださいね」
A氏「先生、特定健診で、どんな結果がでると、特定保健指導を受ける ことになるんですか?」
医師「特定保健指導は特定健診の受診者全員が受けるんですよ。ただし、腹囲とメタボリックシンドロームの判定項目、質問票の内容により、その人の危険因子がどの段階にあるかが判定されますので、どんな保健指導を受けるかは人によって異なるのです。この特定保健指導については、5月号で詳しくご説明することにしましょう」
A氏・A氏妻「お願いします」
|
|
メタボリックシンドロームって何?? |
内蔵に脂肪が蓄積すると、血圧や血糖値が高くなったり、脂質代謝が過剰になるなどの異常が身体に生じやすくなります。
こうした異常が重なると、糖尿病になったリ動脈硬化から心筋梗塞・脳梗塞などの疾患が引き起こされる危険性が高まることがわかっています。
内臓脂肪蓄積
↓
高血圧・高血糖、脂質代謝の過剰などの様々な異常が生じる
↓
生活習慣病発症の危険性 ・糖尿病 ・動脈硬化→心筋梗塞や脳梗塞 |
そして、下の基準に該当すると、メタボリックシンドロームと 診断されることになります。
くメタボリックシンドロームの診断基準〉
○腹囲…立ち姿勢で、軽く息を吐き、へそ回りを測る
男性85cm以上 女性90cm以上
+
○次のA〜Cのうち2つ以上該当
A血糖…空腹時血糖110mg/dl以上
B脂質・中性脂肪150mg/dl以上 またはHDLコレステロール40mg/dl未満
C血圧…収縮期130mmHg以上 または拡張期85mmHg以上
注意! この診断基準は、特定健診で用いられる基準とは少し違います※
※特定健診において、メタボリックシンドロームやその予備軍を判定する基準については、次号で解説します。
|
|
|
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2008年4月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載 |
トップページへ戻る |