今月のテーマ「お年寄りに安眠を…」  
 一般的に高齢者は、寝つきが悪く、眠りが浅くなりがちです。
身体的・精神的要因から、安眠を得られないという方もいらっしやるでしょう。  
 歳をとると、ある程度は仕方がないのでしょうか……。  
 そうはいっても、よく眠れないのは苦痛です。実際に高齢者の3人に1人が、そうした悩みをもっておられます。  

体内時計
 人間の体温は、起きているときは高めに、寝ているときは低めになります。高齢になると、体温変化の幅が小さくなるため、このサイクルに変化が生じます。 また、日中の活動量が落ち気味になり、睡眠へ誘導するメラトニンというホルモンの分泌量が低下します。これらの変化が寝つきの悪さに影響しています。  
 このような体内の仕組みは、太陽の光が関係する「体内時計」によって管理されています。高齢者の方は、日中の活動量を意識して増やすように(頑張り過ぎてはいけませんが……)してください。寝つき、浅い眠りの改善につながるでしょう。

病気、あるいは精神的に
 安眠が妨げられる原因が病気、あるいは精神的なものである場合は、それらの原因に対処していかなければなりません。  
 睡眠を妨げているものは何か? まずは、かかりつけ医に相談して、睡眠薬の処方や専門病院の紹介など、適切な診療を受けることが必要です。

介護と安眠
 介護を受けておられる方にも、不眠で悩まれている方はいらっしゃるでしょう。かつて『寝かせておくことが、よい介護』とされていた介護の常識は、大きく変わりました。浅い眠りを繰り返し、睡眠不足から活動量を低下させてしまうのは、介護を受けておられる方を寝たきりへと向わせてしまう心配もあります。夜間介護に使用するケア用品の問題も含めて、安眠(睡眠)という視点から介護を考えてみることも大切です。
 
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2008年6月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載
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