介護の知恵袋

今月のテーマ
「夜間対応型訪問介護とは」  
 
 夜間における転倒、転落、急な体調不良が心配だ。夜間は精神的に不安定になりやすくて眠れない。夜間に定期的な介護を受けたい……。  
 在宅での介護を望まれる場合、夜間のこうしたニーズに応えてくれるのは、どのような介護サービスでしょうか?
 
介護を受けられる方が介助・介護を必要とする機会は昼夜を問わず起こります。  
 現在のところ緊急時には主に「緊急通報サービス」が用いられていますが、このサービスでは基本的に介護は行なわれていません。一方、従来の訪問介護サービスは、夜間でも定期的な介護サービスを行なえますが、こちらは緊急時の対応が課題でした。  
   
夜間対応型訪問介護は、この二つの長所を組み合わせて、在宅介護への支援を強化するために2006年4月、要介護者を対象として始まりました。現在、全国に123の事業所があり、約2200人の方が利用しています。
 介護保険法により夜間訪問型介護を提供する事業者には、定期巡回サービス、オペレーションサービス、随時訪問サービスの一括した提供と、介護資格をもった人員の配置が義務付けられています。また、最低でも22時から翌朝6時までは緊急の対応ができる体制を維持することも定められています。  
 夜間対応型訪問介護は利用者から高い評価を得ていますが、PR不足のためか、国の当初予定より利用者数が伸びていません。このため、まだ普及が進んでいない地域もあります。
 
夜間対応型訪問介護における主な介護サービス
定期巡回サービス おむつ交換、トイレ介助、身体の清拭など、定期的な訪問による、おおむね30分程度の介助・介護
オペレーションサービス(会話により安心感を提供すると同時に訪問の必要性を判断する) ケアコール端末の事業者負担による設置、体調の不安、精神的不安へのケアコール対応、転倒、転落などの緊急時のケアコール対応
随時訪問サービス 体調不良や転倒、転落などの緊急時の訪問対応、医療機関との連携
 
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2009年2月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載
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