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歯と口のなかはどうなってるの?

食べ物を噛んで、味わって、飲み込む。 毎日の食事は、健康な歯があってこそおいしく味わえるもの。そのとても大切な歯ですが、いったいどのようなつくりをしているのでしょうか?

大人の歯と子どもの歯

 大人の歯と子どもの歯は、大きさも数も異なります。どのような違いがあるのでしょうか?子どもの歯は乳歯とよばれます。生後8か月くらいから生え始め、2歳半くらいで20本すべてが生えそろいます。  

 そして6歳くらいから13歳くらいにかけて、永久歯へ生えかわっていきます。乳歯が自然に抜けて、乳歯よりも大きくて丈夫な永久歯が現われるのです。

 乳歯20本がすべて永久歯に生えかわるわけですが、それに加えて、今まで生えていなかったところにも新しい歯がはえてきます。 これが大臼歯です。6歳ごろと12歳ごろ、そして一番奥は大人になってから生えてきます。この一番奥の歯は「親知らず」ともよばれ、生えてくる時期は人によって異なり、また生えてこない人もいます。このようにして、永久歯がすべてそろうと32本になります。

歯の形はいろいろ!

 歯の形にもいくつかの種類があります。前歯は、柔らかいものを口のなかに取り込むときに、食べ物を噛み切ります。前歯の隣にある犬歯は、ヤリのような形をしていて、固い食べ物を噛み切る役目があります。少し奥にあるのが小臼歯で、大きなものや固いものを噛み砕くのに適しています。最も奥にあるのが大臼歯で、臼のような形をしています。穀物や飲み込む前の食べ物をすりつぶすのに適した歯です。

歯の内部をみてみよう

 前述のように、歯の形にはいくつかの種類がありますが、その内部の構造はすべて同じで、次のようになっています。

●エナメル質

 身体のなかでも最も固い部分。鉄より固く、水晶と同じくらいの固さがあります。このエナメル質のおかげで、固い食べ物を噛み砕くことができます。

 とても丈夫なエナメル質ですが、酸に弱く、細菌がだす酸にあたると溶けてしまいます。けれども、エナメル質だけのむし歯では痛みを感じません。定期検診を受け、この段階でむし歯を見つけられれば、治療も早く終わります。

●象牙質

 エナメル質の内側にあり、エナメル質より柔らかいのですが、それでも骨よりも固い部分です。ここまでむし歯になると、痛みを感じるようになります。

●歯髄(歯の神経)

 歯の中心部にあり、とても柔らかい組織です。血管や神経が集まっており、歯に栄養を与える役割があります。ここまでむし歯が達すると、痛くてがまんができなくなります。

●歯周組織

 歯が抜けけ落ちないようにしっかりと支えている組織で、歯肉(歯ぐき)、歯槽骨、歯根膜からできています。歯根膜は歯をあごの骨につなぎ留め、歯に力がかかるときはクッションの役目を果たします。

舌や唾液の役割は?

 舌は味を感じる器官です。舌の表面には「味蕾細胞」があり、甘い・酸っぱいなどの味を敏感に感じることができます。  

 そして、食べ物を味わうためには、唾液が不可欠。唾液は、味覚をつかさどる味蕾細胞の働きを助けたり、消化を助ける働きがあります。食べ物がよく唾液と混ざると、胃や腸での消化・吸収が進みやすくなります。

 また、唾液は細菌が歯につくのを防ぐため、唾液がたくさんでる人はむし歯になりにくいといわれます。

 

−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2010年6月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載

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