脳卒中などの病気になると、身体に何らかの障害が残ります。けれども、正しいリハビリを積極的に行なうことによって、状態はかなりよくなるものです。身体を毎日動かすことで、少しずつ回復していくのです。病気の直後は医療機関でリハビリを行ないますが、退院してから自宅で行なうリハビリも、日常生活を送る上で大変重要です。
退院後に家庭で行なうリハビリの大きな目的は、何といっても日常生活を不自由なく送れるようになることでしょう。
そのためには、低下した能力をもとに戻すことよりも、どうしたら支障のない生活を送れるかを考えることがポイントです。できなくなったことに目を向けるよりも、できることを伸ばしていくことで問題に対処するのです。
たとえば、記憶力が低下してしまった場合でも、カレンダーや手帳を使ってスケジュールを管理することができます。そのようにすれば生活の不自由は減りますし、それが訓棟となって次第に記憶力が回復してくることもあるのです。
リハビリの効果は、すぐに現われるものではありません。1か月、2か月経ったころに、「そういえばこれができるようになったな」と気がつくかもしれません。
具体的な達成目標を立てることは大事ですが、あまり無理な目標を立ててしまわないようにしましょう。たとえば、寝たきりだった人なら「ジョギングができるようになる」ではなく、「ひとりで座れるようになる」といった、実現できそうな目標を立てるようにします。
ひとりでリハビリを続けるには根気が必要ですが、家族や友人との交流がもてれば、楽しくリハビリを続けていく助けとなります。
趣味のサークルや友人宅への訪問など、積極的に外へ出るようにしてみましょう。 デイサービスなどに出かけることも社会参加の第一歩です。仲間と一緒に過ごし、ともにリハビリができれば、楽しく続けることができるでしょう。
−すぐに役立つ暮らしの健康情報−こんにちわ 2010年7月号:メディカル・ライフ教育出版 より転載